宍戸元秀

宍戸元秀：毛利家を支えた武将の生涯

宍戸元秀（ししど もとひで）は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将で、毛利氏の家臣として活躍しました。父は宍戸隆家、母はなんと毛利元就の娘である五龍局という、名門の血筋を受け継いでいます。

生涯

天文16年（1547年）に宍戸隆家の嫡男として生まれた元秀。しかし、天正20年（1592年）に父が亡くなった際、彼は病弱などを理由に既に廃嫡されており、家督は彼の子である元続が継承しました。隠居領として周防国玖珂郡などに合計870石余りが与えられていた記録が残っています。

慶長2年（1597年）6月11日、元秀は安芸国井原村で51歳で生涯を閉じました。

家族構成

元秀は多くの子に恵まれました。正室は内藤興盛の娘である貴山妙遵。彼女との間には、宍戸家を継いだ元続をはじめ、内藤元盛（佐野道可）、粟屋孝春、宍戸元真といった息子たちがいます。また、娘もおり、その一人は三沢為虎に嫁ぎました。

さらに、毛利輝元の養女となり、小早川秀秋に嫁いだ古満姫も元秀の娘です。彼女は秀秋の死後、毛利家に戻り、後に興正寺准尊に再嫁するという波瀾万丈な人生を送りました。

宍戸元秀の子息

宍戸元続（1563-1631）：安芸宍戸氏第14代当主
内藤元盛（1566-1615）：大叔父・内藤隆春の家督を継ぐ
粟屋孝春（1569-1610）：粟屋孝重の家督を継ぐ
宍戸元真（1578-1648）：毛利輝元に仕えて別家を興す
宍戸景好（生年不詳-1633）：毛利輝元に仕えて別家を興す
宍戸元可（生没年不詳）：毛利輝元に仕えたが、故あって切腹

宍戸元秀の娘

明室妙鏡（生年不詳-1615）：三沢為虎室
古満姫（生年不詳-1651）：毛利輝元の養女として小早川秀秋に嫁ぐ。後に興正寺准尊に再嫁

宍戸元秀の人物像

元秀は、父の隆家から家督を継ぐことはできませんでしたが、毛利家臣として一定の地位を保ち、多くの子を育て上げました。彼の子孫たちは、それぞれに毛利家を支える存在として活躍し、その血筋は長く後世にまで受け継がれています。

参考文献

防長新聞社山口支社編 編『近世防長諸家系図綜覧』三坂圭治監修、防長新聞社、1966年3月
岸浩『毛利氏八箇国御時代分限帳』マツノ書店、1987年6月
* 五條小枝子『戦国大名毛利家の英才教育―元就・隆元・輝元と妻たち―』吉川弘文館〈歴史文化ライブラリー〉、2020年1月

もう一度検索