宍戸元続

宍戸元続

宍戸元続（ししど もとつぐ）は、戦国時代から江戸時代前期にかけての武将で、毛利氏の家臣として活躍しました。安芸宍戸家第14代当主であり、安芸五龍城を居城としました。毛利輝元は父方の従伯父、母方の従兄にあたります。

生涯

永禄6年（1563年）に宍戸元秀の子として生まれます。天正6年（1578年）の上月城の戦いで初陣を飾りました。

文禄2年（1593年）に祖父の宍戸隆家の死去に伴い、家督を相続。文禄4年（1595年）には豊臣秀吉から豊臣姓を下賜されました。

慶長2年（1597年）からの慶長の役では、毛利軍の一員として朝鮮へ渡海。稷山の戦いでは先鋒を務め、蔚山城の築城にも携わりました。第一次蔚山城の戦いでは、加藤清正らと共に籠城戦を戦い抜き、毛利秀元や吉川広家らの援軍を得て明軍を撃退しました。この功績により、豊臣秀吉から感状を受け、その名が筆頭に記されています。

慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いでは、毛利輝元が西軍の総大将に擁立されたことに不安を抱きながらも、西軍に加担。備中国の軍勢を率いて伊勢安濃津城の戦いでは東軍の分部光嘉と一騎打ちをするなど奮戦し、安濃津城を開城させることに成功しました。

しかし、関ヶ原の戦いで西軍が敗北したため、毛利氏は周防・長門の2か国に減封。元続も五龍城を離れ、萩へ移住することとなりました。その後、一門家老の筆頭となり、周防国佐波郡右田に11,000石を与えられました。

大坂の陣では、弟の内藤元盛を密かに大坂城へ送り込みました。戦後、このことが発覚し、その対応に奔走しました。元和元年（1615年）に家督を嫡男の広匡に譲り隠居。

寛永8年（1631年）に萩で死去。享年69。遺体は周防国佐波郡下徳地の龍福山宗円寺で荼毘に付され、牟礼の阿弥陀寺に葬られました。

寛永2年（1625年）に孫の宍戸就尚が毛利元倶と右田と熊毛郡三丘を交換し、宍戸家は一門三丘宍戸家として存続しました。

系譜

父：宍戸元秀（1547-1597）
母：内藤興盛の娘（?-1616）
正室：内藤元種の娘（?-?） - 後に離縁
継室：月峯妙桂（?-1637） - 口羽通良の娘
長男：宍戸広匡（?-1626）
三男：宍戸元高（1607-1648）
次男：宍戸就俊（1601-1671）

脚注

当時の文書では、「宍戸」は「完戸」または「鹿戸」と表記されることもありました。

参考文献

防長新聞社山口支社 編『近世防長諸家系図綜覧』三坂圭治監修、防長新聞社、1966年。
脇正典「萩藩成立期における両川体制について」（藤野保先生還暦記念会編『近世日本の政治と外交』）雄山閣、1993年。
『三百藩家臣人名事典 第六巻』新人物往来社、1989年。
白峰旬「「伊勢国津城合戦頸注文」及び「尾張国野間内海合戦頸注文」に関する考察（その3）」（『史学論叢』第48号、2018年）
安芸高田市歴史民俗博物館 編『宍戸隆家生誕500年記念 安芸宍戸氏～毛利一族、四本目の矢～』2018年。

関連項目

毛利両川
三丘嶽城

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