宗像地方

宗像地方：歴史と自然が織りなす魅力的な地域

宗像地方は、福岡県の北部に位置する地域を指し、北九州市と福岡市の中間に位置しています。宗像市、宮若市、古賀市などが含まれ、古代には神郡として栄えた歴史を持ち、「神郡（かみのさと）」という美称でも呼ばれてきました。この地域は、福岡県の定義によるものではなく、福岡地方東部から北九州地方西部、筑豊地方北部にまたがる広がりを持っています。

宗像地方の範囲

宗像地方の範囲は時代や文脈によって異なります。広義には、宗像市、福津市、古賀市、宮若市、遠賀郡芦屋町、遠賀郡岡垣町、鞍手郡鞍手町、糟屋郡新宮町などが含まれます。さらに、水巻町やその他の糟屋郡を含める場合もあります。

ただし、これらの地域はそれぞれ異なる特徴を持っています。宗像市と福津市は宗像地区、中間市と遠賀郡は遠賀地区、宮若市と鞍手郡は直鞍地区、古賀市と糟屋郡は糟屋地区として区分されることが一般的です。

歴史的背景

古代の宗像郡は、現在の宗像市、福津市、古賀市、宮若市西部、新宮町、岡垣町波津地区、飯塚市幸袋地区などを含む広大な地域でした。一時的には、木屋瀬を除く北九州市西部、中間市、遠賀郡も含まれていたとする説もありますが、これらは御牧郡として宗像郡と同時に設置されたものであり、誤解に基づいています。

大化の改新（645年）により、宮若市西部地域が宗像郡に編入され、辛家郷（旧若宮町水原周辺）や荒木郷（旧宮田町有木地区）などの郷が設けられました。戦国時代には、宗像大宮司家が宗像市、福津市（西郷地区を除く）、岡垣町、宮若市の西半分、鞍手町の半分、芦屋町の半分などを領地としていました。

宮若市の旧若宮町地区には、宗像大宮司家の家臣だったとされる旧家が多く存在し、吉田、峯、石松、占部、秋子、安永、荒牧などの各家が代表的です。これらの家々は、大宮司家滅亡後に帰農しましたが、江戸時代に福岡藩が立藩した際に郷士として採用され、庄屋や組頭などの村役に就任するケースが多かったと言われています。

経済圏

経済圏においては、古賀市と糟屋郡は福岡都市圏に属し、鞍手町、芦屋町、水巻町、中間市は北九州都市圏に属します。宗像市、福津市、宮若市、岡垣町は両都市圏に位置していますが、2000年の国勢調査では、宗像市、福津市、宮若市旧若宮町は福岡都市圏への流れが優勢であり、岡垣町と宮若市旧宮田町は北九州都市圏への流れが優勢であることが示されています。

地域の特徴

宗像地方は、7世紀中頃から神郡として栄え、一時的に九州地方の首都的な存在でした。遠賀川、犬鳴川、釣川流域では古くから農業が盛んであり、響灘や玄界灘に面していることから、古代から支那大陸や朝鮮半島との貿易が活発に行われていました。また、四塚連山や犬鳴連山、六ヶ岳などの山々に囲まれており、豊かな自然に恵まれています。

地域の方言は宗像弁が基本ですが、遠賀郡では北九州弁的な要素が強く、一部地域では筑豊弁や博多弁も用いられます。産業は農漁業が中心ですが、宗像市の商業、古賀市と宮若市の工業、玄海、津屋崎、芦屋の観光など、バランスの取れた経済構造を持っています。

宗像地方は、北九州・福岡大都市圏の中間に位置し、一定の商業集積があります。北九州都市圏、飯塚都市圏、福岡都市圏との交流も盛んです。明治時代から1970年代にかけては、宮若市（旧若宮町を除く）、中間市、糟屋郡、鞍手郡、遠賀郡が筑豊炭田として栄えました。

主な観光名所

宗像地方には、宗像大社、宮地嶽神社などの神社、鎮国寺などの寺院、赤間グローバルアリーナなどのスポーツ施設、宗像ユリックスなどの公園・公共施設、筑前大島などの離島など、数多くの観光名所があります。また、城山、権現山、西山などの山岳や、さつき松原、津屋崎海岸などの美しい自然も魅力です。

文化財としては、宗像大社沖津宮祭祀遺跡出土品、宮地嶽古墳出土品などの国宝、宗像神社辺津宮拝殿、横大路家住宅などの重要文化財、相島積石塚群、桜京古墳などの史跡（国指定）があります。

教育機関

宗像地方には、福岡教育大学、日本赤十字九州国際看護大学などの大学、福岡県立宗像中学校・高等学校、福岡県立光陵高等学校などの高校があります。

宗像地方は、歴史、文化、自然が調和した魅力的な地域です。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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