家原郷好

家原 郷好（いえはら の さとよし）

家原郷好は、平安時代前期に活躍した日本の貴族であり、陰陽家としても知られています。彼の姓は連から宿禰、そして朝臣に改姓されたことで、その地位が段階的に昇進したことが窺えます。また、官位は従五位上、陰陽頭として関与していました。

経歴

家原郷好は清和朝の前半において暦博士に任命され、その後もその職を全うしながら、陰陽助や陰陽頭といった役職に昇進しました。貞観9年（867年）には外従五位下に叙され、その後しばらくは従五位下を内位として受けました。さらに、貞観14年（872年）には家族と共に宿禰姓から朝臣姓へと改姓しました。

貞観19年（877年）4月1日、夜に日蝕が発生した際、事前に中務省からの上奏があり、その解決策について議論が行われました。暦博士であり陰陽頭であった郷好は、元々夜の日蝕に関しては上奏が不要であるとの考え方があったことを指摘し、過去の事例を引き合いに出しました。この時、他の官人達は日蝕が国家の急務であるため、夜間に発生する場合でも上奏すべきであるとの見解を示しました。結果として、この出来事からは、夜の天体現象については事前の報告が行われる必要があるという新たな慣習が確立されました。

その後、元慶2年（878年）には気比大神宮からの異常報告があり、郷好が陰陽寮として占ったところ、神社が汚されたために災いがあったとの結果が出ました。これにより朝廷は具体的な命令を出し、対応がなされました。この事例は陰陽寮が神祇官とは別に占断を行った例であり、その背景には政治的な利害が絡んでいるともされています。

さらに、元慶8年（884年）には光孝天皇の即位に際して、郷好は従五位上に叙せられました。これは彼の長い間の奉仕と専門的な知識に対する評価を示しています。

官歴

彼の官歴を以下にまとめます。

• - 斉衡2年（855年）8月15日：連姓から宿禰姓に改姓
• - 時期不詳：正六位上および暦博士
• - 貞観9年（867年）正月7日：外従五位下
• - 時期不詳：陰陽助
• - 貞観14年（872年）8月13日：宿禰姓から朝臣姓に改姓
• - 時期不詳：従五位下（内位）
• - 貞観19年（877年）4月1日：見陰陽頭兼行暦博士越前権大掾
• - 元慶8年（884年）2月23日：従五位上

家原郷好は、平安時代における陰陽家の中でも特に重要な役割を果たした人物であり、日本の歴史における天文現象に対する理解を深める重要な存在でした。彼の業績は、当時の貴族社会や陰陽道の発展に寄与したと考えられています。

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