富岡港 (熊本県)

富岡港について

富岡港は、熊本県天草郡苓北町に位置する地方港湾であり、熊本県によって管理されています。天草下島の北西端に位置する富岡半島の東側、巴湾に面しており、その地形的特徴から天然の良港として知られています。特に、半島の先端から突き出た砂嘴である曲崎が天然の防波堤として機能し、古くから船の往来に適した場所でした。

歴史

この港の歴史は古く、飛鳥時代には中国や朝鮮半島との交易拠点として利用されていたとされています。また、港に隣接する高台には、唐津藩初代藩主である寺沢広高によって1605年に築城された富岡城があります。この城は、島原の乱の際には一揆軍の激しい攻撃を受けた歴史的な場所です。明治時代以降は、天草炭田で産出された無煙炭の積み出し港として栄えました。天草炭田は1970年代までに閉山しましたが、その後は天草陶石の積み出し港として、現在も利用されています。

現在の状況

2015年度のデータによると、富岡港の発着数は1,482隻で、総トン数は47,320トンに達しています。また、利用客数は164,680人（乗船82,215人、下船82,465人）と多く、地域住民や観光客の移動手段として重要な役割を担っています。2018年10月27日には、港一帯が「みなとオアシス」に登録され、富岡港船客待合所（きずなステーション）がその代表施設として、観光拠点としての機能も強化されています。

航路

富岡港は、苓北観光汽船によって長崎市茂木町の茂木港と結ばれています。1日に4往復の高速船が運航されており、所要時間は約45分です。これにより、長崎県との交流も活発に行われています。

港湾施設

富岡港には、以下のような施設があります。

-5.0m岸壁: 1,000トン級の船舶が4隻同時に接岸できる岸壁
物揚場: -3.0mの物揚場が121m、-2.0mの物揚場が560m
フェリー岸壁: -4.5mのフェリー岸壁と、フェリー用可動橋1基
旅客待合所: 船客用の待合施設
浮桟橋: 13mの浮桟橋1基
荷捌地: 9,165平方メートルの荷捌きスペース

これらの施設は、船舶の安全な離着岸や、人や物資の円滑な移動を支えています。

まとめ

富岡港は、その歴史と地形的利点から、古くから重要な港湾としての役割を担ってきました。現在では、地域経済を支えるだけでなく、観光拠点としても重要な役割を果たしています。みなとオアシスとしての登録や、船客待合所の整備など、利用者の利便性向上にも力が入れられており、今後の発展が期待される港です。

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