富田駅 (三重県)

富田駅（とみだえき）

富田駅は、三重県四日市市富田三丁目にある、東海旅客鉄道（JR東海）と三岐鉄道が乗り入れる駅です。駅番号はCJ09で、JR東海の関西本線と、三岐鉄道の貨物線である三岐線が接続しています。ただし、旅客営業上は関西本線の単独駅として扱われています。

乗り入れ路線

JR東海：関西本線
三岐鉄道：三岐線（貨物線）

関西本線の運行形態については、「関西線（名古屋地区）」を参照してください。貨車の入換などの業務は、日本貨物鉄道（JR貨物）と三岐鉄道に委託されています。

かつては、国鉄時代に急行「紀州」「かすが」「平安」などが停車する主要駅でした。しかし、1986年のダイヤ改正で急行「かすが」が通過となり、国鉄分割民営化後に設定された快速「みえ」なども停車しなくなりました。また、三岐鉄道の旅客列車もかつては当駅に乗り入れていましたが、1970年の近鉄連絡線開業後は大半が近鉄富田駅に乗り入れるようになり、1985年には当駅への乗り入れが廃止されました。

歴史

1894年（明治27年）7月5日：関西鉄道が桑名仮停車場 - 四日市間を延伸した際に開業しました。
1907年（明治40年）10月1日：国有化されました。
1909年（明治42年）10月12日：線路名称が制定され、関西本線の所属となりました。
1931年（昭和6年）7月23日：三岐鉄道が富田 - 東藤原間で開業し、当駅に乗り入れました。
1982年（昭和57年）11月15日：車扱貨物の取り扱いを廃止しました。
1985年（昭和60年）3月14日：三岐鉄道富田駅が旅客営業を休止し、荷物の取り扱いも廃止しました。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化により、JR東海の駅となりました。
1992年（平成4年）11月：JR全線きっぷうりばの営業を開始しました。
2006年（平成18年）11月25日：TOICAが導入されました。
2011年（平成23年）4月1日：簡易委託が終了し、無人化されました。

駅構造

地上駅で、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線のホームを有しています。名古屋方面は複線、亀山方面は単線となっており、列車交換が可能です。東西に出入口があり、西口駅舎は1番線ホームに接続し、各ホームと両出入口は跨線橋で結ばれています。トイレは1番線ホームに設置されています。

通常は1・2番線が使用され、朝夕の一部下り列車のみ3番線から発着します。3番線の東側には、三岐鉄道の着発線と多数の側線が広がっており、かつて三岐鉄道が使用していた島式ホームの遺構が残っています。現在は、桑名駅が管理する無人駅です。かつては、東海交通事業による簡易委託駅として西口に窓口がありましたが、2011年3月に無人化されました。TOICAは簡易改札機で対応しています。

東口は、かつて三岐鉄道が管理していましたが、旅客列車が近鉄富田駅に完全移行した際に無人化されました。東口駅舎は、付近にイオン四日市北ショッピングセンターが開業した際に撤去・改装されました。なお、東口に隣接して三岐鉄道本社屋があります。

のりば

1. 1番線：下り（四日市・亀山方面）
2. 2番線：上り（名古屋方面）
3. 3番線：下り（一部列車）

停車列車

旅客列車

区間快速と普通列車が停車します。一部の下り四日市・亀山方面の普通列車は当駅で待避を行うことがあります。特急「南紀」や快速「みえ」、亀山駅発着の快速も、対向列車待ちで運転停車することがありますが、客扱いは行いません。また、8月下旬に開催される四日市花火大会の際には、快速が臨時停車します。

貨物列車

当駅では、専用貨物列車が三岐線から関西本線に移る際に機関車を交換します。そのため、JR貨物所有のディーゼル機関車が常に1本待機しています。セメント輸送などの専用貨物列車が、当駅を経由して四日市駅方面と東藤原駅の間を1日5往復、炭酸カルシウム・フライアッシュ輸送の専用貨物列車が当駅と稲沢駅を経由して大府駅と東藤原駅の間を1日1往復、当駅から保々駅との間に下りのみ1日2本運行されています。

利用状況

三重県統計書によると、1日の平均乗車人員は以下の通りです。（具体的な数値は最新の統計書を参照してください。）

駅周辺

駅周辺には近鉄富田駅と重複する施設が多いですが、郵便局などの公共施設は当駅東口周辺に多く点在しています。西口と東口があり、それぞれ異なる雰囲気を持っています。

バス路線

三岐鉄道の四日市大学方面への路線が発着しています。

その他

当駅発着のマルス券を購入すると、「（関）富田 - ○○」または「○○ - （関）富田」と印字されます。これは、同一駅名であるJR東日本両毛線の富田駅（栃木県足利市）と区別するためです。

三岐鉄道が旅客営業をしていた時代、近鉄時刻表の三岐鉄道欄では当駅は「国鉄富田」駅と表記されていました。方向板も、近鉄連絡線が開通するまでは「富田」でしたが、開通後は「国鉄富田」に改められ、近鉄富田駅行きの電車と区別するために赤文字で書かれていました。

現在も三岐線の全車両に「JR富田」の表示がありますが、使用実績はありません。「JR」の部分が赤文字で表記されています。

隣の駅

東海旅客鉄道（JR東海）

関西本線

■快速「みえ」・■快速：通過
■区間快速・■普通：朝日駅 (CJ08) - 富田駅 (CJ09) - 富田浜駅 (CJ10)

三岐鉄道

三岐線（貨物線）

富田駅 - （三岐朝明信号場） - 大矢知駅

※旅客営業廃止以前は、富田駅と三岐朝明駅（現・三岐朝明信号場）間に富田西口駅（近鉄富田駅と同一駅扱い）が存在していました。

脚注

注釈

（注釈は本文中に記載）

出典

（出典は本文中に記載）

参考文献

曽根悟（監修）著、朝日新聞出版分冊百科編集部編『週刊歴史でめぐる鉄道全路線公営鉄道・私鉄』 26号長良川鉄道・明知鉄道・樽見鉄道・三岐鉄道・伊勢鉄道、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2011年9月18日。