寺津駅

寺津駅について

寺津駅（てらづえき）は、愛知県西尾市寺津町にかつて存在した名古屋鉄道の三河線の駅です。現在は廃駅としてその歴史を刻んでいます。この駅の始まりは、1926年9月1日にさかのぼり、大浜港（後の碧南）から神谷（後の松木島）間が開通したことにより、寺津駅が開業しました。駅はその後、1927年3月25日に現在の位置から0.6km西一色寄りに移設されました。

歴史的経緯

この駅は、1941年に三河鉄道が名古屋鉄道に合併されたことにより、名鉄三河線の駅となりました。その後、1965年には貨物営業が廃止され、1967年に棒線化、1969年には無人化が進められました。1970年ごろには駅舎が解体され、1990年7月1日には碧南から吉良吉田間の電化設備が廃止され、レールバスでの営業が始まりました。しかし、最終的には2004年4月1日に廃止されてしまいました。

駅の構造

寺津駅は廃線まで4両編成に対応できる1面1線の地上駅でした。かつては島式の1面2線であったことが伺える設備も残っており、交換設備の跡やホーム待合席の屋根などがその証となっています。また、貨物用のホームも存在していたことが考えられます。

利用状況

名古屋鉄道の公式記録によると、1992年度における寺津駅の1日平均乗降人員は467人でした。この数値は名古屋鉄道全体の342駅中278位、三河線38駅中29位となっています。その後、2003年度には平均114人に減少しました。

駅周辺の情報

駅の周辺には、西尾市立寺津中学校や寺津小学校が存在し、地域の教育機関としての役割を果たしています。また、寺津駅の廃止後も代替バスとして「ふれんどバス」が運行されており、「寺津神社前」や「巨海」の停留所が設置されています。さらに、六万石くるりんバスの「寺津本町」停留所も駅跡地近くにあります。

隣接駅とその他の情報

寺津駅の隣は三河楠駅で、廃止区間の三河線の一部が存在していました。寺津駅は当初、三河楠寄りに位置していましたが、1927年に現在地へと移転した後、同年内に北寺津駅が設立されました。北寺津駅は1944年に休止し、1969年に廃止されましたが、その時点でもホームが残されていました。

寺津高架橋

三河線は衣浦トンネルを通じて、中部国際空港へのアクセス道路と交差します。そのため、寺津高架橋が1998年に完成しました。この高架橋の総事業費は約31億円で、名鉄側はわずか3000万円を負担しましたが、開通直後に三河線の廃止を発表する事態となりました。このような経緯が地域における交通の変化を物語っています。

結論

寺津駅は、その歴史を通じて地域交通に関与し、周囲の発展とともに役割を果たしました。今では廃駅として記憶されていますが、その痕跡は今も地域に残り続けています。

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