封悛

封悛（ほう しゅん、生没年不詳）は、五胡十六国時代の前燕に仕えた人物で、渤海郡蓨県を本貫としていました。彼の父は西晋の東夷校尉であった封釈です。

生涯

封悛は西晋時代、冀州刺史の丁紹に主簿として仕えていました。永嘉3年（309年）12月、父の封釈が東夷校尉に任じられます。当時、遼東郡太守であった龐本は、以前東夷校尉を務めていた李臻を殺害しており、封釈もまた同様に殺害しようと企んでいました。この状況を知った封悛は、父に伏兵を配置して龐本を迎え撃つよう進言します。封釈はこの策を実行し、見事に龐本を捕らえて殺害、その一族も皆殺しにしました。

永嘉5年（311年）12月、封悛は父である封釈の喪に服すため、弟の封抽と共に鮮卑慕容部の大人である慕容廆の元へ赴きました。慕容廆は封悛らの人物を見て、その才能を高く評価し、「千斤の犍（去勢した雄牛）に値する」と感嘆したと伝えられています。しかし、当時の情勢は不安定で、帰路が途絶えており、故郷へ帰ることができませんでした。そのため、封悛らは慕容廆に仕えることを決意し、封悛は参軍に任じられることとなります。

その後、封悛は振威将軍に任じられましたが、これ以降の彼の事績については、史書には詳しい記述が残されていません。

家族構成

父：封釈
兄弟：封𢚂、封抽
子：封放、封奕
従子：封裕

参考文献

『晋書』巻128
『資治通鑑』巻87
* 『十六国春秋』巻31、巻65

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