専照寺

専照寺について

福井県福井市に位置する専照寺（せんしょうじ）は、浄土真宗三門徒派の本山で、その歴史と文化が色濃く反映された寺院です。この寺は、山号を鹿苑山、中野山と称し、本尊には阿弥陀如来を祀っています。

歴史的背景

専照寺の歴史は、正応3年（1290年）に遡ります。この年、和田門徒の如道が越前国大町（現在の福井市大町）に大町専修寺を建立し、当地一帯で教えを広め始めました。大町専修寺は、如道が本願寺の重要な人物である覚如の弟子という関係から、次第に本願寺と密接なつながりを持つようになりました。

その後、如道の死を受け、次男の如浄が教団の指導者として新たに大町専修寺の第2世に就任しました。以後、如浄の子である良金が第3世、さらにその後継となる第4世も続いて、その教団を維持してきました。しかし、長い間にわたって浄土宗に傾倒する者が続出し、門徒たちが次第に離れていったことが原因で、教団は衰退してしまいます。

その結果として永享7年（1435年）、第4世は本願寺第6世の巧如によって破門されることとなりました。その後、残った門徒たちは新たな指導者として、如道の弟子であった誓願寺道願の子を第4世として擁立し、大町専修寺から分かれて新しく中野専照寺を創立しました。これにより、三門徒派の再興を目指す動きが始まったのです。

室町時代には室町幕府第6代将軍・足利義教の帰依を受け、1582年には北の庄（現・福井市）へ移転しました。その後、1585年には正親町天皇の勅願所として知られるようになり、江戸時代には1742年に現在の地に移転し、その際に天台宗妙法院門跡の院家となりました。

そうした歴史を経て、1837年に発生した大火によって御本堂や御影堂を含む全ての建物が焼失しましたが、寺院はその後再興されました。

明治時代に入ると、真宗大谷派に合流したこともありましたが、明治11年（1878年）には再び独立し、真宗三門徒派を形成するに至ります。しかし、1948年の福井地震により御影堂以外の全ての建物が倒壊するという厳しい試練を迎えました。以後も復興に向けた努力が続けられています。

文化財の紹介

専照寺内にある御影堂は、江戸時代後期に建築されたものであり、正面30.3メートル、側面29.1メートルという大型の堂宇です。この建物は、市の指定文化財にも認定されており、地域における重要な文化遺産となっています。

所在地

専照寺は福井県福井市みのり2丁目3-7に位置します。訪れることがあれば、長い歴史を感じることができる貴重な場所です。

このように、専照寺は日本の仏教文化と歴史の中で重要な役割を果たしてきた寺院であり、その価値は多くの人々によって評価されています。

もう一度検索