小宝島港

小宝島港について

小宝島港は、鹿児島県鹿児島郡十島村に属する小宝島の南西岸に位置する地方港湾です。東シナ海に面しており、港湾管理は十島村が行っています。統計法に基づく港湾調査規則では、乙種港湾に分類されています。

概要

小宝島港は、小宝島への唯一の交通手段である村営航路が利用する重要な港です。かつては、定期航路で「艀取り」が常時行われていた最後の場所としても知られています。艀取りとは、船が直接岸壁に着岸できない場合に、小型の艀（はしけ）を使って人や荷物を運ぶ方法です。

1982年（昭和57年）に小宝島港の改修事業が開始され、1990年（平成2年）4月10日には接岸しての荷役が可能になりました。しかし、港湾施設が小規模であるため、天候や海の状態によっては船が港に入港できない「抜港」となることがあります。

2013年度のフェリー「としま」の運航実績を見ると、計画された115回の航海に対し、実際には104回しか運航されていません。そのうち6回は小宝島港が抜港となっており、他の港と比較して就航率が低いことがわかります。

2015年度の港の発着数は212隻（総トン数294,892トン）、利用客数は1,178人（乗船客425人、下船客753人）でした。

航路

小宝島港には、十島村が運航する村営航路が就航しています。主な航路は以下の通りです。

鹿児島港（本港区南埠頭） - 口之島 - 中之島 - 平島 - 諏訪之瀬島（切石港または元浦港） - 悪石島（やすら浜港） - 小宝島（小宝島港） - 宝島 - 奄美大島（名瀬港）

フェリー「としま」が週2往復しており、前述の通り、天候や海の状態によっては小宝島港が抜港となることがあります。
また、十島村が所有する高速観光船「ななしま2」もチャーター運航で利用可能です。

港湾施設

小宝島港は海岸の一部を掘り込んで建設された港です。施設は小規模で、岸壁と防波堤のみが設置されており、旅客待合所などの施設はありません。

まとめ

小宝島港は、小宝島への重要なアクセスポイントですが、施設の規模や天候による影響を受けやすいという特徴があります。そのため、利用の際には事前の確認が必要です。

参考資料

十島村誌編集委員会『十島村誌』十島村、1995年。
『港湾統計（年報）』国土交通省、2016年。
十島村離島航路改善協議会『航路改善計画』十島村、2015年2月2日。

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