小川郷太郎

小川 郷太郎について

小川郷太郎（おがわ ごうたろう）は、1876年6月9日生まれの日本の財政学者であり、政治家としても非常に著名な人物です。彼は1945年4月1日に亡くなりましたが、その生涯を通じて幅広い分野で活躍しました。京都帝国大学の経済学部教授や拓殖大学の学監を務め、その後、衆議院議員および商工大臣、鉄道大臣としても知られています。また、従三位、勲一等の称号を持ち、法学博士として学問の世界にも足跡を残しました。

生い立ちと学歴

郷太郎は、岡山県浅口郡里庄町にて村山菊蔵の長男として誕生しました。彼は医師であった小川知彰の養子となり、岡山中学や開成中学、旧制第一高等学校を経て、1900年に東京帝国大学に進学しました。

1903年に同大学法科大学政治学科を次席で卒業し、その後大蔵省に入省することになります。1904年には新設された京都帝国大学経済学部に教授として迎えられ、ヨーロッパで財政学を学ぶために6年間の留学を経験しました。特にドイツやオーストリアでの学びから、現地の経済制度や財政政策を日本に持ち帰り、その後の研究に大いに役立てました。

政治家への転身

1917年、京都帝国大学で教壇に立ちながらも、彼は衆議院議員に立候補し当選します。政治家としてのキャリアはここから始まり、後に8回の当選を果たしました。1924年には大学を辞して拓殖大学の学監に就任し、教育と政治の両方で多忙な日々を送りました。

彼は新政会に所属し、後に政友本党の設立に関与しました。また、民政党に加入し岡山県支部長及び政務調査会長を務めました。特に1929年の濱口内閣では大蔵政務次官として重要な役割を果たしました。1936年には廣田内閣で商工大臣、1940年には第2次近衛内閣で鉄道大臣を歴任し、戦時中も同国の政策に影響を与える存在として多くの業務をこなしました。

戦後の業績と晩年

第二次世界大戦中には大政翼賛会の総務として運営にも携わり、ビルマのバー・モウ政権の顧問として現地に赴任し、財政再建に努めました。しかしながら、1945年に帰国の途上で乗船していた阿波丸がアメリカ海軍の潜水艦に攻撃され、これにより70歳で亡くなりました。郷太郎の遺骨は多磨霊園に埋葬されています。

幅広い著作と栄典

彼は学問の分野でも多くの著書を残しており、『帝国財政予算に就て』や『租税総論』『財政学』など、財政に関する基礎的な知識を広めるための著作を執筆しました。また、漢詩にも秀でた才能を持っていました。生前に受けた栄典としては、数々の位階や勲章があり、1950年には従三位勲一等旭日大綬章が追贈されました。

彼の業績は日本の財政学及び政治の基礎を築く上で欠かせない存在であり、今日でもその影響力が色濃く残っています。

もう一度検索