小早川景平

小早川景平：鎌倉時代初期の武将、小早川氏の礎を築く

小早川景平は、鎌倉時代初期に活躍した武将であり、安芸国沼田荘（現在の広島県三原市一帯）を支配した鎌倉幕府の御家人です。平賀義信の五男として生まれましたが、土肥遠平の養子となり、その後の小早川氏発展の礎を築きました。

生涯

景平は、建永元年（1206年）に自身の所領である安芸国沼田荘を、嫡男の小早川茂平と次男の小早川季平に分割相続させることを幕府に申請しました。この分割相続は、翌年に源実朝と北条政子の安堵下文を得て、正式に幕府に認められました。また、三男の景光には相模国成田荘内の飯泉郷（現在の神奈川県厚木市飯山付近）を、四男の時景には小松をそれぞれ譲り与えました。

建暦3年（1213年）に起こった和田合戦においては、養父である土肥遠平の嫡子・土肥維平が和田義盛に味方したために捕らえられ処刑されるという事態が発生しました。これにより、景平は土肥氏の嫡流も継承することとなりました。

景平以降、嫡子である茂平の子孫たちが次々と別家を立て、小早川氏の一門・譜代の家臣として、本家を支える重要な存在となっていきました。これらの分家は、小早川氏の勢力拡大と安定に大きく貢献しました。

小早川氏発展への貢献

景平は、所領の分割相続を通じて、息子たちにそれぞれの領地を与え、小早川氏の勢力を拡大する基盤を築きました。また、和田合戦における土肥氏の混乱を収拾し、土肥氏の家督を継承することで、小早川氏の地位をより強固なものとしました。景平のこれらの功績は、その後の小早川氏が戦国時代に中国地方で勢力を拡大していく上で、重要な役割を果たしました。

小早川景平は、鎌倉時代初期の武将として、小早川氏の基礎を築き、その後の発展に大きく貢献した人物として、歴史に名を残しています。

参考資料

今井尭ほか編『日本史総覧』 3（中世 2）、児玉幸多・小西四郎・竹内理三監修、新人物往来社、1984年3月。
佐藤和彦 編『吾妻鏡事典』東京堂出版、2007年8月。
* 安田元久 編『鎌倉・室町人名事典』新人物往来社、1985年11月。

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