小月冴子

小月冴子の生涯と舞台活動

小月冴子（おづき さえこ）は、1922年12月24日に東京都で生まれ、2012年12月3日に89歳で亡くなった日本の著名な歌劇女優であり、元松竹歌劇団（SKD）の男役スターです。本名は田口秀子であり、彼女のキャリアは多岐にわたりました。

昇進と初舞台

彼女は1936年に松竹少女歌劇学校に入学し、4回生として活躍を始めます。在籍中の同期には曙ゆり、並木路子、加藤治子、そして矢口陽子などが名を連ねました。1937年には松竹少女歌劇団（後のSKD）に入団し、同年に浅草国際劇場の杮落し公演『第8回東京踊り』で初舞台を踏みました。この舞台が彼女のキャリアのスタートを切った瞬間でした。

戦後の活躍

1944年には幹部に昇進し、1946年には大幹部に昇格しました。戦後の彼女は『カルメン』や『猿飛佐助絢爛城へ行く』といった作品で女役の人気を博し、特に『カルメン』ではタイトルロールを演じ、多くの観客を魅了しました。また、1949年の『踊る龍宮城』や1950年の『夢を召しませ』などのミュージカル映画にも出演し、映画界でも成功を収めました。

リーダーとして

彼女は1965年に舞台を引退した川路龍子に代わり、松竹歌劇団の大幹部筆頭となった後も、舞台活動に専念しました。その後、1973年にはレビュー界で初となる芸術選奨文部大臣賞を受賞し、1980年には松竹歌劇団を退団しました。1981年には松尾芸能賞を受賞し、その後も後進の指導に努めました。

栄誉と受賞歴

1987年には紫綬褒章を受章し、長年の芸術活動が認められました。彼女の舞台人生は、数々の栄光に彩られ、特にその多才さと表現力は、次世代の役者たちに大きな影響を与えたことでしょう。

彼女の死とその影響

小月冴子は2012年に肺気腫のために亡くなりましたが、彼女の業績と影響は今なお多くの人々の記憶に残っています。彼女の独特なスタイルと演技力は、松竹歌劇団の黄金時代を象徴するものであり、その功績は日本の演舞界において永遠に語り継がれることでしょう。

出演作品

彼女の主な舞台作品には、『カルメン』や『青い鳥』、『修善寺物語』などがあります。また、映画にも多く出演し、特に『夢多き頃』では津雲万里子役を、また『男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく』では夕月静香役を務めました。彼女の多彩な才能は、常に新しい挑戦を求め続けました。

小月冴子の人生と業績は、彼女自身だけではなく、松竹歌劇団全体の発展にも寄与した重要なものであり、日本の演劇史に永遠に刻まれています。

もう一度検索