小松山貞造

小枩山貞造（こまつやま ていぞう）は、1913年3月11日に石川県能美郡寺井野村小杉（現在の能美市小杉町）で生まれ、1972年4月27日に生涯を閉じました。本名を竹田貞造といい、大相撲力士として井筒部屋に所属していました。ただし、1944年に井筒親方が亡くなった後は、双葉山相撲道場に預けられる形となりました。

現役時代の体格は170cm、101kgで、得意技は右四つ、出し投げ、小股掬い、内掛け、肩透かし、櫓投げなど多岐にわたりました。1941年5月場所では西前頭3枚目まで昇りつめ、その実力を示しました。特筆すべきは、1941年1月場所4日目に西前頭14枚目の地位で東横綱男女ノ川を破ったことです。これは、大正時代に「金星」という相撲用語が使われるようになって以来、最も番付下位の力士による金星獲得という記録であり、相撲史に残る快挙と言えるでしょう。

1930年5月、井筒部屋から初土俵を踏んだ小枩山は、1937年5月に十両に昇進し、1940年1月には新入幕を果たしました。しかし、1944年9月に井筒親方（元幕内星甲実義）が死去したことにより、双葉山道場へと転籍しました。1945年11月に引退し、その後は再興された井筒部屋の年寄甲山として、後進の指導にあたりました。墓所は八王子市の八王子霊園にあります。

小枩山の幕内在位は11場所で、幕内成績は49勝75敗23休、勝率は.395でした。金星は、1941年1月場所で横綱男女ノ川から獲得した1個です。

四股名は、初土俵から1933年5月場所までは竹林貞造（たけばやし ていぞう）を名乗り、1934年1月場所から1936年1月場所までは小枩山貞三（こまつやま -）、1936年5月場所から引退までは小枩山貞造と名乗りました。引退後は年寄甲山として、1945年11月から1972年4月までその職を全うしました。

小枩山は、その生涯を通じて大相撲に貢献し、特に番付下位から横綱を破るという歴史的な記録を打ち立てた力士として、その名が記憶されています。また、引退後も後進の指導に尽力し、大相撲界の発展に寄与しました。

関連事項として、大相撲力士一覧にその名が記載されています。

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