小松範任

小松範任（こまつ のりひで）

小松範任は、1936年4月8日に香川県高松市で生まれ、2018年2月22日に81歳で亡くなった日本のテレビドラマ監督・脚本家です。声優の小松由佳は娘にあたります。

生い立ちと東映入社

幼少の頃から榎本健一（エノケン）の熱狂的なファンであり、映画館でエノケンの映画を観て育ちました。地元の高松では東宝映画をよく鑑賞していたそうです。早稲田大学第一文学部仏文科を卒業後、映画会社への就職を希望しましたが、東宝にはコネがなかったため、募集のあった東映を受験しました。しかし、当時の東映作品はチャンバラが中心で、口頭試問では苦労したそうです。TBSにも合格していましたが、大学からの勧めもあり、東映に入社しました。

1959年に東映へ入社し、東京撮影所に配属。村山新治、小林恒夫、深作欣二らの助監督を務めました。その後、労働争議の影響で「企画渉外室」や「目黒PR分室」へ異動となりました。

CM・テレビドラマ監督として

撮影現場に復帰後、1968年に菊正宗酒造のCMで監督デビュー。大正製薬『リポビタンD』、カルピス、ハウス食品のCMも手掛けました。同年、東レのPR映画『私はシルック』で電通賞を受賞。『Gメン'75』の合間に、小松が監督した大正製薬やハウス食品のCMが頻繁に流れたこともありました。

1969年、東京撮影所内のテレビセクション「東京制作所」へ異動し、テレビドラマを中心に制作。テレビ映画初監督作品は『日本列島爆破大作戦』（1969年、フジテレビ）ですが、本人はテレビドラマ『フラワーアクション009ノ1』（1969年、フジテレビ）を事実上のデビュー作としています。『Gメン'75』では、望月源治（演：蟹江敬三）が登場する『黒谷町シリーズ』を多く担当しました。

労組活動と晩年

テレビドラマ監督を務める一方で、東映労組委員長として労組活動にも参加。「東制労共闘」にも関わりました。1996年に定年退職。退職前後には、荒井美三雄の企画でロシアや中東へロケーション撮影を行い、教育映画『革命のロシア』を制作。同作は文部省選定作品となり、教育映画優秀作品賞を受賞しました。その後も、『アフリカ縦断2万キロ』や『日曜特集・新世界紀行 古代オリエント』などのドキュメンタリー作品を手掛けました。

2018年2月22日、都内の病院で死去。81歳でした。

主な担当作品

テレビドラマ
フラワーアクション009ノ1 （1969年、フジテレビ）
キイハンター （1972年、TBS）
刑事くん 第2部・第3部 （1973年 - 1974年、TBS）
アイフル大作戦 （1973年 - 1974年、TBS）
バーディ大作戦 （1974年 - 1975年、TBS）
Gメン'75 （1976年 - 1982年、TBS）
Gメン'82 （1982年 - 1983年、TBS・近藤照男プロダクション）
ザ・サスペンス『奪われた遺書・オフィスラブは危険な火遊び』（1983年、TBS）
スーパーポリス （1985年、TBS・近藤照男プロダクション）
火曜サスペンス劇場 （日本テレビ）
迷犬ルパンは名探偵!? （1985年、テレビ朝日）
水曜グランドロマン『手塚治虫物語』（1990年、日本テレビ）
火曜ミステリー劇場『カラオケ教室殺人事件』（1991年、テレビ朝日）
フジヤマのトビウオ 古橋廣之進物語 （1992年、TBS）
土曜ワイド劇場 （朝日放送・テレビ朝日）
月曜ドラマスペシャル『和服デザイナー探偵』 （1997年、TBS・TSP）
その他
* 素敵にドキュメント （朝日放送制作、テレビ朝日系列）- 構成・ディレクター

小松範任は、テレビドラマの黄金期を支えた名監督として、その作品は今も多くの人々に愛されています。

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