小泉正保

小泉正保：明治陸軍を支えた将軍の生涯

小泉正保（こいずみ まさやす）は、1855年（安政2年）に生まれ、1917年（大正6年）に没した、日本の陸軍軍人です。最終階級は陸軍中将にまで昇り詰めました。彼の軍人としてのキャリアは、激動の時代とともにありました。

生い立ちと初期の軍歴

小泉正保は、水戸藩士である小泉正誠の長男として誕生しました。当初は警視庁の巡査を務めていましたが、1875年（明治8年）に陸軍士官学校に入学し、軍人としての道を歩み始めます。

1877年（明治10年）には、西南戦争に従軍。この戦いで少尉試補となり、その後、歩兵少尉に任官します。同年12月には、陸軍士官学校（旧1期）を卒業し、本格的な軍人としてのキャリアをスタートさせました。

多様な任務と昇進

卒業後、小泉は近衛歩兵第1連隊に配属され、その後、参謀本部出仕、清国への派遣（漢口、北京駐在）、安南出張、清国公使館付など、多様な任務を歴任しました。1889年（明治22年）には屯田兵副官に任命され、屯田兵参謀、屯田歩兵第4大隊長、根室大隊区司令官、根室連隊区司令官を歴任。1896年（明治29年）には歩兵中佐に昇進しました。

さらに、1897年（明治30年）には歩兵第10連隊長に就任。同年12月には歩兵大佐へと進級し、軍人としての地位を確固たるものにしました。

日露戦争での活躍と負傷

小泉は、第5師団と第7師団の参謀長を歴任し、1903年（明治36年）には陸軍少将に昇進、歩兵第24旅団長に任命されました。日露戦争では、遼陽会戦、沙河会戦に参戦し、その指揮能力を発揮しました。旅順攻囲戦後には、第3軍参謀長に異動しましたが、1905年（明治38年）1月、移動中の事故により重傷を負い、職務を松永正敏少将に引き継ぐことになりました。

晩年と栄典

日露戦争での負傷後、1906年（明治39年）には歩兵第6旅団長に就任。台湾第1守備隊司令官を経て、1910年（明治43年）には陸軍中将に進み、第10師団長に親補されました。その後、第8師団長に転じ、1914年（大正3年）に待命、同年8月には予備役に編入となりました。

小泉正保は、その長年の軍功により、数々の栄典を授与されています。位階は、従六位から始まり、正三位にまで昇りました。勲章においては、勲五等双光旭日章から勲一等瑞宝章まで、様々な勲章を授与されています。特に、日露戦争の功績により、功二級金鵄勲章と勲二等旭日重光章を授与されました。

小泉正保の功績

小泉正保は、明治期の日本陸軍において、様々な要職を歴任し、その発展に貢献しました。特に、日露戦争における彼の活躍は、その後の日本陸軍に大きな影響を与えました。彼の軍人としての生涯は、まさに激動の時代を象徴するものと言えるでしょう。

参考資料

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
* 外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

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