小浜城 (陸奥国)

小浜城

小浜城は、福島県二本松市にあった戦国時代の山城です。現在は本丸跡が史跡公園として整備され、その歴史を今に伝えています。

歴史

小浜城のある塩松地方は、室町時代には石橋氏の所領でした。小浜城は、その家臣である大内氏の大内宗政によって文明3年（1471年）に築かれたと伝えられています。

永禄11年（1568年）、当時の城主・大内義綱は田村氏と結び、主家である石橋尚義を追放し、塩松地方一帯を支配下に置きました。その後、大内氏は田村氏からの独立を図り、伊達氏・蘆名氏の側につきました。

天正12年（1584年）に伊達政宗が家督を継ぐと、当主・大内定綱は伊達氏への従属を誓いましたが、翌年には離反し、蘆名氏に属しました。これに対し、政宗は自ら軍を率いて塩松地方へ攻め込み、支城である小手森城を攻略すると、その勢いで塩松地方を制圧しました。大内定綱は蘆名氏を頼って逃亡し、政宗は小浜城へ無血入城を果たしました。

政宗はその後、小浜城を二本松氏攻撃の拠点とし、天正14年（1586年）8月までの約1年間滞在しました。政宗の父・輝宗が二本松義継に拉致殺害された事件（粟之巣の変事）が起きたのも、この小浜城滞在期間中です。なお、定綱は郡山合戦の際に伊達成実の調略によって帰参し、後に伊達家の重臣となりました。

天正19年（1591年）の奥州仕置によって塩松が蒲生氏郷領となると、家臣の蒲生忠右衛門が2万5千石を与えられて小浜城代となりました。現在、本丸跡に残されている石垣は、この時に築造されたものとされています。その後、上杉氏時代は山浦景国、再蒲生時代は玉井貞右が城代となり、寛永4年（1627年）に廃城となりました。

構造

小浜城跡は、二本松市役所岩代支所（旧岩代町役場）東側の丘陵一帯に位置しています。最も高い平場を本丸とし、その四方に6つのやや大きめの郭が存在し、さらに南西方向には小規模な郭が階段状に配置されています。

本丸跡は昭和56年（1981年）に発掘調査されており、7棟の掘立建物跡が確認されています。また、本丸入口に現存する石垣は、蒲生氏郷時代のものと推定されています。現在、郭は畑となり判別しづらく、堀切は道路になったり、倉庫が置かれたりしている場所もあります。本丸跡は公園として整備されており、大内氏の子孫によって大内氏の碑が建てられています。

小浜城跡の南方約2kmには宮森城跡があります。小浜城は下舘、宮森城は上舘とも称され、両城一体となって小浜城の防御を戦略的に可能にしていたと考えられています。

周辺情報

宮森城
田村清顕（大内氏との抗争を繰り返した）
木幡山（伊達氏の塩松侵攻時に焼き討ちにあう）
二本松城

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