山中潤

山中潤

山中潤（やまなか じゅん、1961年9月6日生まれ）は、日本の実業家、ゲームクリエイター、編集者、映画プロデューサー、そして写真家という多彩な顔を持つ人物です。東京都出身で、JUNS株式会社のオーナーであり、高円寺三角地帯の共同オーナーでもあります。旧姓は井上。

来歴

初期の活動

東京都北区西ヶ原で生まれた山中潤は、1983年にマジカルズゥ主催のアドベンチャーゲームコンテストで『黄金の墓』で優勝し、その才能を開花させました。翌1984年には、同じくマジカルズゥで出会った仲間と共にソフトハウス『ツァイト』を設立し、代表取締役に就任。ここで、日本のグラフィックソフトの先駆けとなるZ'sSTAFFシリーズを開発・販売し、当時のMS-DOS環境における標準的なグラフィックソフトとして広く認知されました。

『ガロ』の編集長として

1990年、山中は松沢呉一の紹介で、経営危機に瀕していた青林堂を長井勝一から買い取り、社長に就任します。その後、1992年からは青林堂が発行する雑誌『ガロ』の編集長も兼任。サブカルチャー色を強めるなど様々な企画を打ち出し、『ガロ』の一時的な立て直しに貢献しました。1994年には、創刊30周年記念として、あがた森魚監督による『オートバイ少女』の映画化を実現させ、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭に出展するなど、話題を呼びました。

ツァイトの終焉と新たな挑戦

しかし、ツァイトはMS-DOSからWindowsへのプラットフォーム移行への対応が遅れ、経営は悪化。さらに、雑誌にCD-ROMを添付した『デジタルガロ』の創刊も失敗し、多大な負債を抱えることとなりました。1997年には、山中の体調不良や青林堂の内紛も重なり、ツァイトは倒産へと追い込まれます。その後、山中は写真家としての活動を始め、1997年に渋谷美蕾樹で写真個展『八月の少女』を開催し、新たな才能を発揮しました。

沖縄への移住と起業

2000年、山中は沖縄に移住し、沖縄初の女性誌『KeyRey』を創刊。同誌のイメージガールを務めた比嘉愛未は、その後女優として活躍しました。2005年には、クリエーター向けカスタムパソコン工房『JUNS』を設立し、音楽プロデューサーのt-kimuraなどにマシンを提供し始めました。また、2010年からは自社PCを活用したUSTREAM配信を開始し、田原総一朗や津田大介といった著名人による番組配信を支えました。

現在の活動

2018年には、川井拓也と共に高円寺に配信BAR『高円寺三角地帯』をオープン。また、2010年からはインターネット音楽番組『Oil in Life』、2019年からは『Caoli Cafe』などの配信番組を制作しています。山中の活動は、ゲーム開発から出版、映画製作、そしてインターネット配信へと、時代とともに変化を遂げていますが、常に新しいメディアや表現方法に挑戦する姿勢は変わりません。

その他の活動

映画関連

山中潤は、映画プロデューサーとしても活動しており、竹中直人監督の『無能の人』、天願大介監督の『無敵のハンディキャップ』などの製作に関わりました。また、石井輝男監督の作品にも出演しています。

書籍・雑誌関連

山中潤は、雑誌『ガロ』と沖縄の女性誌『KeyRey』の編集に携わったほか、『無能の人のススメ』、『ガロ曼荼羅』などの書籍を出版しました。

ゲーム・ソフトウェア関連

山中潤は、『黄金の墓』をはじめ、『ねじ式』、『アソコの幸福』などのゲーム、そしてZ'sSTAFFシリーズといったグラフィックソフトウェアの開発に携わりました。

個展

山中潤は写真家としても活動しており、1997年には『八月の少女』と『小さな詩』という2つの写真個展を開催しました。

脚注

山中潤は、その多岐にわたる活動から「全身編集者」とも呼ばれています。また、北冬書房や権藤晋、つげ義春幻想紀行などの関連キーワードにも注目されています。

外部リンク

FaceBook 山中潤
山中潤 (@yamanakajun) - X（旧Twitter）
三上洋インタラクティブ　山中潤インタビュー - ウェイバックマシン
山中潤氏の語る「ガロ」
宍戸留美×津田大介　Oil in Life-JUNSTV
JunsTV - YouTubeチャンネル
JUNS（ジュンズ）
高円寺三角地帯

山中潤は、常に時代の最先端を走り、様々な分野でその才能を発揮し続けている人物です。彼の今後の活動にも目が離せません。

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