山口人麻呂

山口 人麻呂の生涯と業績

山口人麻呂（やまぐち の ひとまろ）は、奈良時代に活躍した官人であり、その生涯や業績は今なお多くの人々に関心を持たれています。彼の正式な姓は忌寸であり、父親は山口大麻呂という官人でした。

経歴と官位

人麻呂は天平勝宝4年（752年）には正七位下の位階にあり、重要な役職である遣新羅大使に任命されました。この遣新羅使は、天平12年（740年）以来12年ぶりに派遣されたもので、その目的は東大寺の大仏造営に関する報告にあったとされています。この時期、東大寺は日本の宗教文化にとって重要な拠点であり、大仏の建立は国の威信をかけた大事業でした。

しかしながら、人麻呂が新羅に向かった際には、同国の国王と接見することはできなかったため、その後の活動や成果については詳細がわかっていないのが現状です。この点は、彼の経歴において未解決の部分と言えるでしょう。

その後、人麻呂は紫微中台大疏に昇進します。紫微中台大疏とは、天文や暦法に関わる職務で、皇室や朝廷に仕える非常に名誉ある地位でした。このように、彼はそのキャリアを通じて官吏として重要な役割を果たしました。

系譜

人麻呂の家系は、彼の父である山口大麻呂と関連が深いです。系図には記載があるものの、母については詳細が不明であり、出生に関する情報も限られています。彼には二人の息子がいたとされており、彼らは山口諸上と山口諸足という名前で記録されています。これらの子供たちも、山口人麻呂の血を引く重要な存在として、今後の研究対象となることでしょう。

参考文献

山口人麻呂に関する研究の一端は、宇治谷孟による『続日本紀（中）』（1992年）や、宝賀寿男の『古代氏族系譜集成』（1986年）に掲載されています。これらの文献は、彼の生涯や系譜の理解を深めるために非常に貴重な資料です。

まとめ

山口人麻呂は、奈良時代における重要な官吏であり、遣新羅大使としての任務や紫微中台大疏としての役割を担っていました。彼の業績は不明瞭な部分も多いですが、当時の日本における文化や政治において一定の影響を及ぼしたことは間違いありません。彼の子孫や関連する系譜も興味深く、今後の研究によりさらなる情報が明らかにされることを期待しています。

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