山岡浚明

山岡浚明（やまおか まつあけ）は、享保11年（1726年）に生まれ、安永9年10月15日（1780年11月11日）に亡くなった江戸時代の国学者であり、幕府の旗本でもありました。字は子亮、通称は左次右衛門と称しました。また、蓋簪楼主人、大蔵千文、大伴宿禰、明阿などの号も用いました。幕臣として450石を領していました。

24歳で小姓組に入り、泥郞（でいろう）の筆名で洒落本『跖婦人伝（せきふじんでん）』を著しました。この作品は、宝暦3年（1753年）に刊行されています。宝暦5年（1755年）頃からは、百科事典である『類聚名物考（るいじゅめいぶつこう）』の編纂に着手しました。宝暦9年（1759年）には国学者の賀茂真淵に入門しますが、後に不和となり、袂を分かっています。漢学は林祭酒から学び、和歌は堂上派に学びました。

明和8年（1771年）には隠居を許され、剃髪して明阿と号しました。その後、京都で病のため亡くなりました。戒名は梅橋院子亮浚明居士、墓所は麻布の龍澤寺にあります。

山岡浚明は、伊勢貞丈や萩原宗固と親交があり、奈佐隅東を弟子として育てました。また、塙保己一も山岡浚明の門下であり、日本の考証学者を育成した功績は非常に大きいと言えるでしょう。

大正6年（1917年）には、その功績を称えられ、従五位を追贈されました。

著書

『類聚名物考』（るいじゅめいぶつこう） - 百科事典（1753年 - 1779年）
『跖婦人伝』（せきふじんでん） - 洒落本（1749年、筆名：泥郎子）
『愚管抄』
『示蒙抄』
『逸著聞集』
『文栞』
『紫のゆかり』 - 随筆。『続日本随筆大成 8巻』（吉川弘文館）に収録。
『伊香保の口すさみ』 - 温泉紀行（明和元年）。筑波大学図書館蔵。


関連事項

塙保己一
木村蒹葭堂

外部リンク

肖像集　８. 祥啓・山岡浚明 - 国立国会図書館デジタルコレクション
山岡浚明(やまおかまつあけ)とは - コトバンク

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