山崎麓

山崎麓（やまざき ふもと）

山崎麓は、1883年12月17日に神奈川県横浜市で生まれ、1943年9月11日に亡くなった日本の国文学者です。本籍は兵庫県出石郡にありました。号は目黒麦男。

生涯

山崎麓は、第四高等学校を経て、1909年に東京帝国大学文科大学国文科を卒業しました。その後、逓信省機関逓信協会主幹嘱託（1910年～1914年）、英字新聞『ジャパンマガジン』編集嘱託（1910年～1918年）などを務め、1916年から1919年には駿台英和女学校で教鞭を執りました。1919年には山口高等学校教授に就任。1922年からは國學院大學教授として教壇に立ちましたが、1932年に同大学を辞職しました。晩年は日本文学報国会に所属していました。

研究と業績

山崎麓は、国文学の研究者として、古典文学の校訂や注釈に力を注ぎました。『日本文学大系』の校注を中心に、多くの古典作品を現代に紹介しました。また、小説や教育書などの著作も残しており、その活動は多岐にわたります。

著書

『時代の人』 (1909年、楽世社)
『鷹雄と海老太郎 教育小説』(1917年、科外教育叢書刊行会)
『洒落本評釈』(1926年、武蔵野書院)
『国語国文学講座 第6 小説史』(1934年、雄山閣)

共編著

『最近雇員答案集』(1920年、法制時報社、林茂増と共著)
『高等試験令第七条の答案集』(1922年、法制時報社、林茂増と共著)
『近代日本文学大系 第25巻 日本小説年表 附・総目録』(1929年、国民図書、編)

編纂・校注

『日本文学大系 校註 第3 方丈記 徒然草』(1925年、国民図書)
『日本文学大系 校註 第10巻 宇治拾遺物語 古今著聞集』(1926年、国民図書)
『日本文学大系 第19巻 お伽草子・鳴門中将物語・松帆浦物語・鳥部山物語・秋の夜の長物語・鴉鷺合戦物語』(1926年、国民図書)
『日本文学大系 校註 第22巻 狂言記』(1926年、国民図書)
『万葉全集 註釈』(1926年、百瀬四郎と共著、著作推薦叢書)
『人情本傑作集』(1928年、博文館・帝国文庫)
『馬琴傑作集』(1929年、博文館 帝国文庫)
『西鶴文撰集』(1932年、春陽堂)
曲亭馬琴『弓張月』現代語訳 (1943年、新紀元社、少年国文学叢書)

参考資料

* 中村正明「山崎麓の業績と年譜」国学院大学近世文学会会報 (2002-2003)



山崎麓は、国文学の研究者として、また教育者として、日本の文学界に大きな足跡を残しました。彼の研究は、古典文学を現代に伝える上で重要な役割を果たし、後世の研究者にも大きな影響を与えました。多岐にわたる著書を通じて、その文学に対する深い造詣と情熱が伺えます。

もう一度検索