山手幹線 (兵庫県)

阪神間を横断する大動脈：山手幹線

山手幹線は、兵庫県尼崎市戸ノ内町から神戸市長田区まで、阪神間を東西に貫く重要な幹線道路です。全長約29.5km、4車線道路が大部分を占める都市計画道路で、尼崎市、西宮市、芦屋市、神戸市の4市を通過します。正式名称は阪神間都市計画道路3・3・181号（芦屋市区間は3・3・130号）山手幹線、もしくは神戸国際港都建設計画道路3・3・13号山手幹線です。

起点から終点まで

起点となるのは尼崎市戸ノ内町一丁目、大阪府との県境付近です。終点は神戸市長田区四番町七丁目、国道28号と兵庫県道21号神戸明石線が交差する長田交差点です。

芦屋川隧道と名称の混乱

芦屋市内には芦屋川を水底トンネルで横断する芦屋川隧道があります。危険物積載車両は通行できません。また、山手幹線という名称に関して混乱があります。「山幹」や「山手幹線」と呼ばれることがある神戸市道長田楠日尾線（原田線）は、実際の山手幹線とは別の道路です。実際の山手幹線は、阪急神戸線の北側、割塚通、国香通、二宮橋を走る路線です。兵庫県警や神戸市道路公社の公式情報も、この路線を山手幹線としています。

各市区間の名称と植樹

道路標識は、神戸市、芦屋市、西宮市では「山手幹線」と表記されていますが、尼崎市のみ「山幹通り」と表記されています。神戸市灘区王子公園から東灘区本山北町付近にかけては、ケヤキ並木が美しい景観を形成しています。

起点付近の接続問題

起点付近では、国道176号と間接的に接続するものの、住宅地内の狭隘な道路を経由する必要があり、事実上、スムーズな接続はできていません。大阪府側の接続道路整備は、都市計画道路三国塚口線の計画がありますが、阪急神戸線との立体交差計画や地元との合意形成、財政問題などの課題があり、実現には至っていません。

地下鉄との関係と地域変遷

神戸市内では、下山手通6丁目交差点から長田神社南交差点までの区間は、神戸市営地下鉄西神・山手線が地下を走っています。山手幹線は、戦災復興事業として1946年に都市計画決定されましたが、長らく未開通区間が残っていました。阪神・淡路大震災後、防災上の課題として認識されたことで、整備が加速しました。戦前より、阪神国道の交通量緩和や沿線地域の発展を目的とした計画があり、阪神水道工事とも関連していました。

開通までの歩み

山手幹線は段階的に開通が進められました。1999年から2010年にかけて、各区間が順次開通。2010年10月24日、芦屋川横断工区の開通により全線開通を迎えました。開通を記念したウォーキングイベントも開催されました。震災後も、交通量増加に対応するため、西宮市内などでは道路改良工事が行われました。

他の阪神間主要道路との比較

阪神間を結ぶ主要道路としては、阪神高速3号神戸線、国道2号、国道43号などがありますが、慢性的な渋滞が問題となっています。山手幹線は、これらの道路の渋滞緩和に貢献する新たな主要道路として期待されています。尼崎市内では名神高速道路とほぼ並行し、尼崎IC取り付け道路にも接続しています。

沿線施設と接続道路

山手幹線沿線には、コストコ、イオンなどの大型商業施設を始め、夙川公園、王子動物園、横尾忠則現代美術館、相楽園、湊川神社など様々な施設があります。多くの府県道や国道と接続し、地域経済や生活に大きく貢献しています。また、神戸市バス、神姫バス、阪急バス、阪神バスなどが運行しています。

まとめ

山手幹線は、阪神間の発展に大きく貢献する重要な道路です。その歴史や整備状況、沿線施設などを理解することで、この道路が持つ意義をより深く知ることができます。将来的には、更なる交通量の増加に対応するための整備が期待されます。

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