山梨勝之進

山梨勝之進について

山梨勝之進（やまなし かつのしん）は、1877年7月26日に宮城県宮城郡仙台に生まれ、1967年12月17日に亡くなった日本の海軍軍人です。彼の最終階級は海軍大将であり、従二位及び勲一等を受けた方で、日本の海軍史における重要な人物として知られています。

軍歴の概要

山梨は海軍兵学校第25期で次席として卒業し、その後海軍大学校甲種学生5期も経て、ワシントン軍縮会議では全権随員として活動しました。主に軍の政策を担当し、陸軍や海軍の人事においても影響力を持っていました。彼は「条約派」として名が知られ、艦隊司令長官職を経験した77名の大将の中で唯一、艦隊指揮官としてのキャリアを持たない9名のうちの一人でもあります。

ロンドン軍縮会議

山梨のキャリアの中でも特筆すべきは、1930年に開催されたロンドン海軍軍縮会議における彼の活動です。海軍次官として彼は軍縮の成功に尽力し、艦隊派との対立を乗り越えるべく、数々の困難を克服しました。彼は暗殺の危険を抱えながらも、信念を貫いて会議を進め、最終的には結果を出しました。この時、山梨は海軍省の実権を一時的に預かり、政策決定において重要な役割を果たしました。

退官後の活動

1946年には公職追放となりましたが、1952年には解禁され、その後も教育や指導的役割を重視し続けました。特に昭和14年からは学習院長に就任し、明仁親王の教育に尽力しました。また、海上自衛隊の創建にも大きな貢献をしました。

人格と評価

山梨は温厚であり、他者を批判することなく、常に自己を低く保つことを信条としていました。彼の子息である山梨進一によれば、山梨は自己宣伝を嫌い、「自分の業績を語るのは他人がすべきこと」と常に語っていたと言います。このような姿勢が彼の人間的魅力を生んでいました。

教育と遺産

戦後、山梨は海軍の歴史を語り継ぐことに情熱を注ぎ続けました。彼は幹部学校での講義を通じて自身の知識を次世代に伝え、彼の講義録は後に文書としてまとめられ、多くの人に影響を与えました。山梨は89歳で亡くなる直前まで教育活動に関与し、その死後も語られる人物となりました。

1966年には宮中杖を下賜され、歴史に名を刻む存在となりました。彼の業績は、海軍の歴史や教育の分野において今なお語り継がれています。彼の墓所は東京の青山墓地にあり、彼の功績を忘れないための場所として多くの人々に訪れられています。

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