山田町 (鹿児島市)

鹿児島市山田町について

鹿児島市山田町は、鹿児島市の中部に位置する町です。かつては谿山郡に属し、谷山郷の一部でした。現在の人口は約5,400人、2,200世帯以上が暮らしています。

地理

山田町は、鹿児島市の中央部に位置し、永田川の中流域に広がっています。北には星ヶ峯、南には中山、西には皇徳寺台、東には桜ケ丘と隣接しています。周辺は新興住宅地が目立ちますが、町内には水田が広がり、のどかな農村風景が残っています。

町の中心部を南北に指宿スカイラインが走り、山田インターチェンジと山田料金所が設置されています。また、北部には県道35号線が東西に走り、県道210号線と交差しています。これらの道路は、地域住民の生活を支える重要な交通路となっています。

町内には、以下の河川が流れています。

永田川（二級河川）
山之田川

歴史

山田の成立と中世

「山田」という地名は、鎌倉時代から存在しており、薩摩国谿山郡の一部でした。1276年の記録には、山田忠真が次男の山田宗久に当村の地頭職を譲渡したと記されています。この頃、現在の宇宿にあたる地域は、三男の山田直久に譲渡されています。

南北朝時代には、征西将軍宮懐良親王によって皇立寺が創建されました。その後、懐良親王の死後、領主の谷山忠高は無外円照に帰依し、皇徳寺を創建しました。江戸時代には、皇徳寺は寺領100石を有する大寺として栄えました。室町時代には、村内の田畑を寺社に寄進した記録が多数残っており、皇徳寺や福昌寺への寄進が行われていたことがわかります。

近世の山田村

江戸時代には、山田村は薩摩国谿山郡谷山郷に属していました。村高は時代によって変動していますが、おおよそ1,500石程度でした。当初、山田郷に属していたとされていますが、後に伊佐智佐郷と合併して谷山郷になったとされています。村の中央部には伊集院往還が通り、沿線には戸長役場が置かれていました。1878年には黒丸小学が設立されましたが、後に他の小学校と統合され、現在の中山小学校の前身となりました。

町村制施行以降

1889年の町村制施行により、山田村は谷山村の大字「山田」となりました。1897年には、谿山郡が鹿児島郡に編入され、谷山村も鹿児島郡の一部となりました。1918年には山田産業組合が設立され、その後、農業協同組合を経て、谷山北部農協となりました。

1924年には谷山村が町制を施行して谷山町となり、1958年には市制を施行して谷山市となりました。この時、山田町は谷山市の一部となりました。1967年には谷山市と鹿児島市が合併し、現在の鹿児島市山田町となりました。

その後、1978年には桜ケ丘団地、1989年には星ヶ峯団地、1992年には皇徳寺ニュータウンなどの開発が進み、町域の区画整理や住居表示の変更が行われました。これらの開発により、町の一部は新しい町名に分割・編入されました。

文化財

山田町には、以下の文化財があります。

県指定

鹿児島市山田町の田の神：1723年に建立された田の神で、地域の女性らによって作られたと伝えられています。

市指定

山田の鉦踊り：地域に伝わる伝統的な踊りです。
田の神（山田町札下）：地域の田の神を祀る文化財です。

施設

公共

鹿児島市消防局南消防署谷山北分遣隊
鹿児島市谷山北福祉館
鹿児島県道路公社道路部

教育

鹿児島市立谷山北中学校
鹿児島市谷山学校給食センター

寺社

黒丸神社
明楽寺（浄土真宗本願寺派）

その他

晃栄住宅本社

交通

道路

主要地方道
鹿児島県道17号指宿鹿児島インター線（指宿スカイライン）：山田インターチェンジと山田料金所が設置されています。山田ICは鹿児島方面へのハーフインターチェンジです。
鹿児島県道35号永吉入佐鹿児島線
一般県道
鹿児島県道210号小山田谷山線

小・中学校の学区

市立小・中学校に通う場合の学区は、以下のようになっています。（詳細については、鹿児島市教育委員会のウェブサイトをご確認ください）

まとめ

鹿児島市山田町は、歴史と自然が調和した魅力的な地域です。交通の便も良く、住みやすい環境が整っています。農村の風景が残る一方で、新興住宅地も広がっており、多様な顔を持つ町と言えるでしょう。

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