山田盛太郎

山田 盛太郎について

山田 盛太郎（やまだ もりたろう）は、1897年に愛知県で生まれ、1980年に亡くなったマルクス経済学の著名な学者です。彼は東京大学の名誉[[教授]]として知られ、日本の経済学界に多くの足跡を残しました。特に、彼の研究は昭和期の日本経済の理解において重要な寄与をしました。

学歴と初期の経歴

山田は旧制第八高等学校を卒業後、1920年に東京帝国大学経済学部に入学しました。ここで彼は大内兵衛教授の指導を受けながら、マルクス主義の研究に取り組みました。1923年に大学を卒業し、東京帝国大学で副手から助教授に任命されましたが、1930年に共産党シンパ事件の影響を受けて大学を辞職することになります。

その後、彼は野呂栄太郎らとともに『日本資本主義発達史講座』を編纂し、1934年には『日本資本主義分析』を発表。この作品は、講座派のマルクス経済学の重要な作品と位置づけられ、彼の名を広めることとなりました。

日本資本主義論争への関与

山田は、その後、櫛田民蔵、猪俣津南雄、向坂逸郎といった他の学者と共に日本資本主義論争または封建論争を繰り広げました。彼の主張は「日本資本主義の軍事的半農奴制的性質」に注目し、特に『日本資本主義分析』における彼の理論は多くの論争を生み出しました。この作品は、日本の経済を独自の視点で捉えたものとして、労農派や宇野経済学の思想とも対立しました。

1936年にはコム・アカデミー事件で再び検挙され、厳しい取り調べを受ける中で共産主義理論の放棄を表明しましたが、その後も留置されるという厳しい経験をしました。彼は1937年になってようやく釈放されました。

戦後の学問活動

第二次世界大戦後、山田は東京大学に復職し、経済学博士の学位を1950年に取得しました。彼は経済学部長も務め、定年退官後には専修大学と龍谷大学で教授として教鞭をとりました。

彼の学問的活動は、戦前から戦後にかけての日本経済学の重要な側面を切り開きました。彼の論文は常に注目を浴び、時には大きな批判を受けることもありましたが、彼自身が直接反論する姿は見られませんでした。

評価と影響

山田は、講座派マルクス経済学の理論的主柱の一人として認識され、特に『日本資本主義分析』が日本経済研究における重要な基礎を築きました。彼の分析方法には、特有の「範疇＝型」に注目するアプローチがありましたが、その硬直性については批判も存在しました。

また、分野における二部門定置説を石井寛治とともに提唱しており、これは彼の経済学への貢献をさらに深める要素となっています。

彼の功績は、1990年代以降の日本経済学界にも影響を与え続けており、山田の著作集には彼の思想が色濃く反映されています。

結論

山田盛太郎は、日本の経済学において非常に重要な役割を果たし、その成果は現在においても評価されています。彼の学問的な足跡は、日本資本主義の研究と理解を深めるための重要な資料を提供しています。

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