岩木哲

岩木 哲

岩木 哲（いわき さとし）氏は、1954年4月5日に大阪府大阪市住之江区で生を受けました。プロ野球選手として主に捕手として活躍し、引退後は指導者の道へ進み、長年にわたりチームを支えました。

球歴

高校時代

大阪府の大鉄高校に進学した岩木氏は、野球部でその才能を開花させます。高校2年次にあたる1971年には、左翼手として春の選抜高等学校野球大会に出場。チームは快進撃を見せ、決勝戦まで駒を進めましたが、日大三高との対戦で相手エース渡部良克投手に抑えられ、惜しくも準優勝という結果に終わりました。

翌1972年、高校3年次には捕手へとコンバートし、再び春の選抜に出場します。しかし、この年は初戦で銚子商のエース根本隆投手に苦しめられ、甲子園を去ることとなりました。当時のチームには、後にプロ野球でもチームメイトとなる1学年下の三塁手、山村善則氏がいました。

社会人野球、そしてプロへの道

高校卒業後、1973年に新日本製鐵広畑に入社しましたが、1年で退社。1974年秋にプロ入りの道を模索し、まずは広島東洋カープの入団テストを受けましたが、残念ながら合格には至りませんでした。しかし、その後、南海ホークスの入団テストに挑戦し、見事合格。ドラフト外でプロ野球の世界へと足を踏み入れました。

南海ホークスでの選手生活

1975年に南海ホークスへ入団した岩木氏でしたが、当時の捕手陣には選手兼任監督である野村克也氏が君臨していたほか、柴田猛氏、和田徹氏、黒田正宏氏、松本芳之氏といった実力者が揃っており、一軍での出場機会を得ることは容易ではありませんでした。

プロ入りから数年を経て、1979年9月8日のロッテオリオンズ戦（平和台球場）でプロ初出場を果たします。この試合では7番・右翼手として偵察メンバーとして先発しましたが、すぐに交代しました。捕手として初めて先発マスクを被ったのは、同年9月14日の西武ライオンズ戦（大阪球場）です。そして、1979年10月3日の西武ライオンズ戦（西武ライオンズ球場）では、森繁和投手からプロ入り初安打と初打点を記録しました。さらに、1980年5月29日の近鉄バファローズ戦（日生球場）では、橘健治投手からプロ初本塁打となるソロホームランを放ちました。

1982年に黒田正宏氏がチームを離れると、その後継として出場機会が増加。この年は74試合に先発マスクを被り、自己最多となる91試合に出場し、36安打を記録するなど、正捕手格としてチームを支えました。しかし、翌1983年には打力に優る香川伸行氏が台頭したことで、再びポジションを譲ることとなります。その後も香川氏や吉田博之氏の控え捕手としてチームに貢献しました。

現役晩年には、1986年7月29日の近鉄バファローズ戦（大阪球場）で、佐々木修投手から実に6年ぶりとなる現役最後の本塁打を放つという印象的な一打がありました。同年9月30日の近鉄バファローズ戦（藤井寺球場）で谷宏明投手から放った安打が現役最後の安打となり、1987年は無安打に終わりました。そして、1988年7月29日のロッテオリオンズ戦（大阪球場）で、門田博光選手の代走として起用された試合が現役最後の出場となり、同年限りでユニフォームを脱ぎました。

引退後

現役引退後、岩木氏はダイエー、そしてソフトバンクホークスで指導者としてのキャリアを歩み始めます。1989年にはブルペン捕手としてチームを支え、1991年にはバッテリーコーチ補佐、1992年にはチームスタッフを歴任しました。1993年からは二軍バッテリーコーチを務め（1993-1995年）、1996年には一軍ブルペン担当コーチ、1997年から1999年まで一軍ブルペンコーチを務め、投手陣の指導に尽力しました。

ホークスを一度離れた後、2005年から2006年にかけては沖データコンピュータ教育学院のコーチを務め、アマチュア野球の指導にも携わりました。その傍ら、マスターズリーグでは福岡ドンタクズの選手としてもプレーを楽しみました。

その後、再びソフトバンクホークスに戻り、2000年から2001年、そして2007年から2008年と、再び二軍バッテリーコーチを務め、若手捕手や投手陣の育成に貢献しました。

岩木氏は、選手として南海ホークスの控え捕手を務め、チームを支える役割を果たし、引退後はホークスで長くコーチを務め、多くの選手を育て上げた人物です。そのキャリアは、ホークスの歴史と共に歩んだ道のりと言えるでしょう。

背番号

選手時代は43（1975-1982）、27（1983-1988）を背負いました。指導者としては、79（1989）、111（1990-1992）、74（1993-1996, 2007-2008）、86（1997-1999）、75（2000-2001）と、様々な番号を歴代の役職とともに着用しました。

関連情報

岩木氏のキャリアは、大阪府出身の多くのプロ野球選手や、福岡ソフトバンクホークス（前身の南海ホークス、福岡ダイエーホークスを含む）の歴史において重要な一頁を占めています。

NPB公式サイトには、選手時代の詳細な個人年度別成績が記録されています。

個人年度別成績 岩木哲 - NPB.jp 日本野球機構

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