島津久甫

島津久甫について

島津久甫（しまづ ひさすけ）は、江戸時代中期に薩摩藩で活躍した武士で、日置島津家の9代目当主です。日置島津家は、島津宗家15代当主である島津貴久の三男、島津歳久を祖とする家系です。2代目の島津常久以降、薩摩国日置（現在の鹿児島県日置市日吉町日置）を領地としたことから日置島津家と称しました。この家は、藩内において一門に次ぐ高い家格を誇り、当主が元服する際には藩主が烏帽子親を務めるという特権を持っていました。家紋は日置十文字を使用しており、明治時代には島津久明が男爵に叙せられ、華族に列しています。

生涯

正徳4年（1715年）に、日置島津家嫡男である久林の長男として誕生しました。幼名は又次郎。享保7年（1722年）に鹿児島城で元服し、藩主の島津継豊が烏帽子親となり、理髪役は国老の島津久貫が務めました。この時、島津又次郎久甫と名乗るようになりました。元文5年（1740年）には、大磯館で藩主吉貴に拝謁し、世子である継豊付きの若年寄役と、薩摩国市来の地頭職に任命されました。寛保3年（1743年）には、父の隠居に伴い家督を相続し、同時に家老職を命じられます。職田として1000石を与えられ、島津左衛門久甫と名を改めました。延享4年（1747年）には、勝手方家老に任命され、藩の財政を担当しました。同年、嫡男の久定（後の久暢）と先々代藩主吉貴の娘である徳姫との婚約が成立しています。延享5年（1748年）には、薩摩国出水の地頭職も務めました。また、寛延元年（1748年）には、義弟である種子島家の当主、久芳が若年であったため、その家政を代行しています。寛延2年（1749年）に、36歳という若さで亡くなりました。家督は嫡男である久定が相続しています。

日置島津家について

日置島津家は、薩摩藩内でも特に重要な役割を担っていました。藩主一門に次ぐ家格を持ち、藩政における影響力も大きかったと言えるでしょう。島津久甫自身も、若くして家老という重職を任され、藩の運営に大きく貢献しました。日置島津家は、明治時代に入ると男爵に叙せられ、華族としての地位を確立しています。

まとめ

島津久甫は、薩摩藩において重要な役割を果たした人物です。日置島津家の当主として、藩政に尽力し、その後の薩摩藩の発展に貢献しました。彼の生涯は、当時の武士の生き方を象徴するものであり、歴史を学ぶ上で重要な事例と言えるでしょう。

参考資料

東京大学史料編纂所「種子嶋家譜」
島津久明『島津家系譜』
* 島津金吾歳久の自害

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