嶋錦博

嶋錦 博

嶋錦 博（しまにしき ひろし、本名：大嶋 博）は、昭和初期から中期にかけて活躍した大阪府大阪市浪速区出身の元大相撲力士。1928年9月26日生まれ、2003年7月18日没（享年74）。最高位は西前頭筆頭。現役時の体格は身長174cm、体重135kgと恵まれ、左四つからの寄りや吊りを得意とした。

来歴

昭和18年（1943年）、大阪から上京し、元横綱・宮城山率いる芝田山部屋へ入門。同年5月場所で14歳の若さで初土俵を踏んだ。当初の四股名は本名に由来する「大ノ嶋」であったが、番付に四股名が掲載されるまでには3場所を要するなど、序盤は苦戦を強いられた。後に改名した「嶋錦」もまた本名から取られたものである。

入門した年、不運にも11月に師匠の宮城山が亡くなり、芝田山部屋は閉鎖されることとなった。これにより、大ノ嶋を含む旧芝田山部屋の力士たちは、年明け早々に元関脇・早瀬川が師匠を務める高田川部屋へ移籍。しかし、高田川親方も間もなく死去したため、彼らは最終的に高砂部屋へと引き取られることになった。

高砂部屋へ移ってからは、その恵まれた体格を活かし、番付を順調に上げていった。昭和26年（1951年）1月場所で新十両に昇進。そして翌昭和27年（1952年）9月場所には新入幕を果たした。以降、得意の左四つから繰り出す鋭い吊りや寄りを武器に、幕内において31場所もの長きにわたり土俵を務め、活躍した。

幕内では、昭和29年（1954年）1月場所で記録した12勝を最高に、二桁勝利を5場所で記録するなど安定した実力を見せた。しかし、一度も三賞を受賞できなかったことは、その実力からすれば惜しまれる点である。性格は明快で淡白であったと言われるが、この淡白さが勝負の粘り強さを欠き、三賞に手が届かなかった要因の一つとも指摘されることがある。

現役の晩年には番付を落とし、幕下2枚目まで降下。昭和35年（1960年）3月場所後、地元である大阪の地で現役引退を表明した。

引退後

現役引退後は、年寄・陣幕を襲名し、高砂部屋付き親方として後進の指導にあたった。また、長年にわたり勝負審判としても活躍し、公正な判定に尽力した。後に同じ高砂一門に属する九重部屋へ移籍。ここでは千代の富士（後の横綱）や保志（後の横綱・北勝海）といった将来の大横綱候補たちを育成・指導する立場となる。相撲協会には停年を迎えるまで在籍し続けた。

平成3年（1991年）5月からは年寄名跡を八角と改称。停年退職に際して、八角の名跡は弟子の北勝海に譲られた。

死去

平成15年（2003年）7月18日、急性肝不全のため東京都青梅市内の病院で死去。74歳だった。

主な戦績

通算成績：341勝381敗1分17休（勝率.472）
幕内成績：212勝247敗1分5休（勝率.462）
現役在位：58場所
幕内在位：31場所

改名歴

大ノ嶋（おおのしま、1944年11月場所 - 1945年11月場所）
嶋錦（しまにしき、1946年11月場所 - 1960年3月場所）

年寄変遷

陣幕（じんまく、1960年3月 - 1991年5月）
八角（はっかく、1991年5月 - 1993年9月）

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