川内平野

川内平野（せんだいへいや）

川内平野は、九州南西部の鹿児島県薩摩川内市中央部に広がる平野です。地理的な特徴、歴史、地質構造などが複雑に絡み合い、独特の景観と気候を形成しています。

地理

川内平野は、南部を北薩火山群、北部を出水山地に囲まれた、山間盆地のような地形をしています。平野の中央部を川内川が流れ、その流域には沖積平野が広がっており、薩摩川内市の中心市街地が形成されています。川内市街地付近では、川内川や支流の隈之城川が天井川となっており、一度堤防が決壊すると大きな被害を受ける可能性があります。平野の南東部には標高20〜50mの権現原台地、北部には標高10〜20mの国分寺台地と呼ばれるシラス台地が存在します。

川内川の河口付近は、月屋山などの山地によって狭まっており、実際には山間盆地の一つと見なすことができます。氷期に海水面が低下していた時期には、現在よりも下流側に海岸平野が広がっていたと推定されています。気候は内陸性で、近隣の阿久根市街地や出水平野と比較して、気温の寒暖差が大きいことが特徴です。特に秋から冬にかけては霧が発生しやすいです。

地質構造は、基盤に東郷層群（四万十層群）があり、その上に北薩火山群に関連する安山岩、玄武岩、溶結凝灰岩が重なっています。表層部はシラス、新期火山灰、沖積層で構成されています。

歴史

川内平野の低地では、古くから稲作が行われてきました。奈良時代末期には、薩摩国分寺が建立された歴史もあります。西部の高江地区に広がる低地は、過去にたびたび水害に見舞われており、江戸時代には、1679年から1687年にかけて小野仙右衛門によって長崎堤防が築かれました。しかし、1969年6月から7月にかけてと1971年7月には集中豪雨による浸水被害が発生しています。

近隣の平野

• - 八代平野
• - 出水平野
• - 姶良平野

関連災害

• - 平成18年7月豪雨

参考文献

• - 川内郷土史編さん委員会編　『川内市史上巻』　鹿児島県川内市、1975年

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