市橋長政

市橋 長政（いちはし ながまさ）

市橋長政は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけて名を馳せた武将であり、越後三条藩の第二代藩主です。また、近江仁正寺藩の初代藩主でもありました。彼の存在はこの時期の日本の政治・軍事の流れにおいて重要な役割を果たしました。

略歴

市橋長政は林右衛門左衛門の三男で、母は市橋長利の娘です。彼は織田信長に仕えた武将、市橋長勝の養子であり、その影響を受けて成長しました。慶長9年（1604年）には江戸幕府の第二代将軍、徳川秀忠に仕官し、慶長19年（1614年）とその翌年の1615年には大坂の陣に参加し、功績を挙げました。この際、彼は下総国の香取郡・海上郡に1,000石の領地を与えられます。

元和2年（1616年）には、養父長勝の越後への転封に従い、同国内に3,000石の加増を受けました。しかし、元和6年（1620年）5月15日に養父が亡くなると、その所領は一旦没収されるものの、その後長政が跡を継ぐことが許され、近江野洲郡・蒲生郡、そして河内交野郡に2万石を賜る形で移封されました。その年の内に三条から仁正寺へ移っています。

元和8年（1622年）には、彼の娘婿である市橋長吉に近江国内で2,000石を分与し、元和9年（1623年）には従五位下の伊豆守に叙任されます。

市橋長政は3代将軍、徳川家光に仕え、寛永3年（1626年）には上洛に従います。また、寛永5年（1628年）には大坂城の石垣の普請奉行を務め、同じく寛永11年（1634年）には多賀神社の造営奉行を歴任するなど、幕府での重要な役割を果たしました。さらに、寛永12年（1635年）から寛永16年（1639年）までの間は上方御料所の郡奉行も務めており、その職務を全うしました。

彼は正保5年（1648年）2月11日に74歳で亡くなり、その跡を長男の政信が継ぎました。長政は、篆刻や美術品に対するセンスが高く、岩佐又兵衛と親しい関係にありました。また、又兵衛から贈られた屏風一双や達磨・霊照の絵について感謝の手紙を残しています。

系譜

• - 父母

- 林右衛門左衛門（実父）
- 市橋長利の娘（実母）
- 市橋長勝（養父）

• - 正室

- 小山田茂誠の娘

• - 子女

- 市橋政信（長男） - 生母は正室
- 市橋政直（次男）
- 市橋長吉室
- 浄光院 - 立花種長の正室

脚注

長政の生涯は、当時の日本の重要な転換期における武士の役割を象徴しており、彼の業績は現在も評価されています。その歴史的な影響は、後の時代にも反響を呼び起こしています。

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