幡生総合鉄道部

幡生総合鉄道部：歴史と役割

JR貨物幡生総合鉄道部は、山口県下関市に所在する、機関区と乗務員区所を統合した施設です。山陽本線と鹿児島本線沿いの貨物輸送において重要な役割を担っており、その歴史は国鉄時代まで遡ります。

沿革

幡生総合鉄道部の前身は、国鉄時代の「下関運転所幡生支所」です。ここでは、貨物用電気機関車が配置されていました。JR貨物発足後は「幡生機関区」となり、運転士の所属はありましたが、機関車の所属はありませんでした。山陽本線と鹿児島本線の門司駅構内にあるデッドセクション（直流と交流の切り替え区間）を通過するため、直流電気機関車と直流交流両用電気機関車の交換が主要な業務でした。

機関車の付け替えや列車の入れ換え作業は、当初JR西日本に委託されていましたが、2021年4月、JR貨物直営（ジェイアール貨物・中国ロジスティクス）による操車業務開始に伴い、業務内容が拡充されました。この組織改編により、幡生機関区は「幡生総合鉄道部」へと生まれ変わりました。ただし、幡生操車場の信号取扱業務は、現在もJR西日本に委託されています。

厚狭派出の変遷

かつて、山陽本線厚狭駅には「幡生機関区厚狭派出」がありました。この施設も、幡生総合鉄道部と同様に、長い歴史を辿っています。

1905年の「下関機関庫厚狭分庫」開設から始まり、その後、幾度かの改称や昇格・格下げを経て、1987年の国鉄分割民営化後もJR貨物傘下で存続していました。1995年には宇部港駅と統合して「厚狭総合鉄道部」となり、1999年には幡生機関区傘下の「幡生機関区厚狭派出」となりました。しかし、2010年のダイヤ改正に伴い、厚狭派出は廃止され、所属車両は門司機関区に転属。跡地は、現在中国電力グループのCPCエナジーによる太陽光発電所「厚狭太陽光発電所」として利用されています。

現在の業務範囲

幡生総合鉄道部の乗務員は、山陽本線（広島貨物ターミナル駅～下関貨物駅）と山陽・鹿児島本線（幡生操車場～北九州貨物ターミナル駅、ただし北九州貨物ターミナル駅～下関貨物駅間はDE10・DD200の送り込みのみ）を管轄しています。

まとめ

幡生総合鉄道部は、長年にわたる歴史と経験を基盤に、JR貨物の貨物輸送を支える重要な拠点です。組織改編による業務内容の拡充は、更なる効率化とサービス向上への取り組みを示しています。その歴史を紐解くことは、日本の鉄道史を知る上で貴重な資料となります。また、厚狭派出手による歴史的変遷は、時代の流れの中で鉄道事業がどのように変化してきたかを示す一つの事例と言えるでしょう。今後の更なる発展にも期待が高まります。

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