干支 (北方町)

干支を用いた住所表記の歴史と特徴

本稿では、宮崎県延岡市北方町における独自の住所表記について詳述します。特に、干支を基にした表記法はこの地域の特色があります。このシステムは、延岡市に編入されるまでの間、北方町の住民によって用いられていました。

背景

北方町では、自治体制度が施行されて以来、大字などの一般的な地名は設定されていませんでした。その代わりに、地番の前に干支を利用して地名を示し、地域を識別する役割を果たしました。この干支を採用するに至った背景には、地域の戸長の先祖が延岡藩の天文測量を行っていたことがあります。そのため、地域を「子」から時計回りに「亥」までの名称で区分けしました。

また、当時の郵便番号も、五十音順ではなく十二支の順序に基づいて付けられていたため、地域性が強く反映されています。2006年、北方町は延岡市に組み込まれ、地域自治区となった際にこの住所システムは一部の役割を終えましたが、干支を用いた地番符号は現在も存在しています。

住所変更と郵便番号の引き継ぎ

合併後、通称地名はそのまま大字として昇格し、干支を使った旧住所表記は徐々に廃止されました。具体的には、干支に属する地域のうち、いくつかの地区は住所変更を経て新たに郵便番号が設定されたため、郵便番号も新しくなっています。ただし、地域によっては変更が無い場合もありました。

例えば、「丑」や「寅」という区域は、合併後もそのまま新しい住所名に変わったため、郵便番号は引き継がれました。一方で、いくつかの地名は新たに設定された郵便番号に移行したため、旧地名は廃止され、郵便番号も変わりました。これにより、住民たちは新たな部署に合わせた住所を利用ています。

各干支地域の変遷

• - 子: 獺越や北久保山などの地域は、合併後に新しい住所名に変更されました。旧北方町子（882-0108）は廃止されました。
• - 丑: 角田地域が継承され、郵便番号がそのまま引き継がれました。
• - 寅: 笠下としてボンが続けられ、こちらも郵便番号の引き継ぎが行われました。
• - 卯: 川水流や南久保山などが新しい住所に変わり、元の番号は失効しました。
• - 辰: 上崎や蔵田は新しい地名に移り、新たに郵便番号が設定されました。
• - 巳: 早日渡地域も同様に、郵便番号が変更されました。
• - 午: 三ケ村や八峡も新たにその名で名付けられました。
• - 未: 椎畑等の名が残り、一部の件名が新たな住所になりました。
• - 申: 上鹿川と下鹿川が新しく表記されています。
• - 酉: 藤の木北方町となり、郵便番号が引き継がれました。
• - 戌: 板上および板下も新たに改名され、旧番号は廃止されました。
• - 亥: 二股として再名付けが行われ、こちらは郵便番号が引き継がれました。

このように、北方町独自の住所体系が、合併により変更があったものの、現在も地域の一部に残り、地名変更の背景には地域の歴史的な要素が色濃く反映されています。

結論

宮崎県北方町における干支を用いた住所表記は、地域の文化や伝統を物語る重要な要素です。合併後もその一部は残り、新しい住所体系に組み込まれつつ、過去の名残を大切にしています。この地域の住所表記の変遷を通じて、文化的なアイデンティティを感じることができます。

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