平ヶ岳 (群馬県・新潟県)

平ヶ岳（ひらがたけ）

平ヶ岳は、新潟県魚沼市と群馬県みなかみ町の境界にそびえる標高2,141mの山であり、その秀麗な姿から日本百名山に選ばれています。山頂の北東には二等三角点が設置されており、新潟県側の山域は越後三山只見国定公園に指定されています。

地勢と植生

平ヶ岳は、阿賀野川の支流である只見川と、利根川の源流地帯という、日本の中央分水嶺に位置しています。山頂の南側は急峻な地形ですが、北側はなだらかな平坦地が広がり、池塘が点在する高層湿原が発達しています。この湿原は、「利根川源流山稜高層湿原群」として日本の重要[[湿地500]]に選定されており、ミヤマミズゴケやイボミズゴケなどの貴重な植物、エゾホソイ群落、イワイチョウ、ハクサンコザクラなどが生育しています。

山頂付近の草原では、ミツバノバイカオウレン、オノエラン、チングルマなどの草本植物がよく見られます。池塘の周囲にはモウセンゴケが繁茂していますが、湿原の特徴であるミズゴケ類の繁茂はあまり見られません。泥炭層は約20cmと薄く、湿地としては発展途上の中層湿原、あるいは湿地というよりも原野や湿地に近い様相を呈しています。

登山

平ヶ岳への登山道は、魚沼市鷹ノ巣地区の国道352号にある登山口から、下台倉山、台倉山、池ノ岳を経由して山頂に至るルートが一般的です。このルートは行程が長く、山中に山小屋やキャンプ指定地がないため、健脚者向けの登山となります。早朝に出発する必要があるでしょう。中ノ岐林道からのショートカットルートもありますが、林道は一般車両の乗り入れが禁止されているため、交通の便があまり良くありません。銀山平の民宿に宿泊すると、登山口までの送迎サービスを利用できる場合があります（要確認）。

1986年には、浩宮徳仁親王（現在の天皇陛下）が中ノ岐林道から登り、鷹ノ巣登山口へ下山するコースを辿られました。山頂はなだらかで池塘が点在し、草原が広がっています。池塘保護のため、木道が整備されています。

群馬県側からは登山道は開設されていません。

その他

平ヶ岳は、利根川源流部自然環境保全地域に含まれる剣ヶ倉山と、尾瀬国立公園に含まれる大白沢山を結ぶ稜線上に位置していますが、2015年現在、どちらの地域にも含まれていません。

周辺の山

燧ヶ岳
至仏山
巻機山

関連項目

みなかみユネスコエコパーク
越後山脈
越後三山只見国定公園
* 尾瀬国立公園

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