平井伸和

スーパー・ヘイト（平井伸和）の激動の人生

1969年生まれ、東京都目黒区出身のプロレスラー、平井伸和。リングネームは「スーパー・ヘイト」としても知られる。往年の名レスラー、ミツ・ヒライを父に持ち、その血を受け継ぎ、華麗なる、そして波乱に満ちたプロレス人生を歩んできた。

SWSからWARへ：若き日の活躍

1990年、SWSの入門テストに合格。1991年4月25日、畠中浩戦でプロレスラーデビューを飾る。天龍源一郎率いるレボリューションに所属し、若手ながら頭角を現し始める。しかし、SWS崩壊後もその才能は衰えることなく、WARへと活躍の場を移した。

WARでは、1994年には新日本プロレスのヤングライオン杯に出場。WWF（現WWE）のマニアツアーにも参戦するなど、国際的な舞台でも経験を積んだ。1997年には、WAR世界6人タッグ王座を獲得。北尾光司、望月成晃とのタッグで、その実力を証明した。しかし、WARの所属選手解雇に伴いフリーとなり、IWA・JAPANなどを転戦した。

全日本プロレスでの苦悩とヒールターン

1999年、三沢光晴体制下の全日本プロレスに入団。しかし、その後一度は退団するものの、フリー活動を続け、三沢の離脱後再び全日本プロレスに所属した。全日本プロレスでは、主に序盤の試合で活躍するも、なかなかブレイクすることはなかった。

2008年、運命の転換期が訪れる。後楽園ホール大会で、ブードゥーマスクを被り、VOODOO-MURDERSに電撃加入。ヒールターンを果たし、リングネームを「ヘイト」に変更。黒いフェイスペイントと専用の椅子をトレードマークに、観客を煽動する、まさに憎まれ役を演じ切った。TARUからは「北尾光司以上のナチュラルヒール」と評されるほど、そのヒール役は完璧だった。

2009年には、減量して世界ジュニアヘビー級王座に挑戦するも惜しくも敗北。その後もジュニアヘビー級の選手として活躍を続けた。

スーパー・ヘイト：黄金のマスクと悲劇

2011年、VOODOO-MURDERSの総帥TARUは、新たなメンバーとして「スーパー・ヘイト」を投入。金色のロングタイツ、金髪、そして黒いフェイスペイントに、黄金の消火器というインパクト抜群のいでたちで登場した。しかし、同年5月29日、神戸大会での試合後、嘔吐し吐血、緊急搬送された。

検査の結果、脳卒中（後に急性硬膜下血腫と判明）と診断され、緊急手術を受けた。手術は成功したものの、意識は回復せず、記憶障害も残った。その後、試合前の控室でTARUから暴行を受けていたことが判明し、TARUとMAZADAは逮捕された。

この事件により、ヘイトはプロレス界から引退。現在はリハビリ中と伝えられるものの、公の場には姿を現していない。しかし、関係者によると、歩行や食事もできるようになり、記憶も戻りつつあるという。また、プロレス界復帰の意思も示しているとのことである。

得意技とタイトル

平井伸和/スーパー・ヘイトの得意技は多岐に渡る。代表的な技としては、「ヒライ・エンド」「ヒライ・ボトム」「WARスペシャル」「横入り式エビ固め」「エクスプロイダー」などがある。ヒールターン後は凶器攻撃も得意技となり、イス攻撃や消火器攻撃（スーパー・ヘイト時代は黄金の消火器）を駆使して相手を圧倒した。

タイトルとしては、WAR世界6人タッグ王座（パートナー：北尾光司、望月成晃）を獲得している。

エピソード

中日ドラゴンズのファンであることなど、数々のエピソードも残されている。

スーパー・ヘイトのレガシー

スーパー・ヘイトこと平井伸和のキャリアは、数々のドラマと、大きな悲劇を経験した、まさに波乱万丈のプロレス人生であったと言えるだろう。その強烈な個性と、類まれな才能は、プロレスファンの記憶に深く刻まれている。彼の今後の動向に、注目が集まる。

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