広島県道363号栗原長江線

広島県道363号栗原長江線は、広島県尾道市内に位置する一般県道です。市内の栗原地区と長江地区を結び、尾道市街地の南北を結ぶ重要な生活道路、あるいは市域の交通を支える路線として機能しています。

路線データ

本路線の公式なデータは以下の通りです。

起点: 尾道市栗原町（大池三差路交差点、国道184号交点）
終点: 尾道市長江一丁目（長江口交差点、国道2号旧道交点）
重要な経過地: なし
実延長: 2.819 キロメートル
* 総面積: 26,857 平方メートル

起点は尾道市栗原町の国道184号に接続し、終点は尾道市街地の南側、国道2号旧道に接しています。

歴史

この県道の道筋は、古くからの歴史を持つものです。その原形は、大正8年（1919年）に作成された『正式二万分一地形図』に「三次町及庄原道」と記された道の一つに見出すことができます。この道は次第に主要な交通路としての性格を強め、戦後の昭和28年（1953年）には二級国道184号松江尾道線の一部として国の幹線道路に指定されました。さらに道路法の改正に伴い、昭和40年（1965年）には一般国道184号となります。

当時の国道184号は、現在の県道363号のルートを含む経路を通っていましたが、後に尾道市街地の西側、栗原川沿いに新たな経路が整備されることになりました。この経路変更に伴い、かつて栗原川沿いを通っていた広島県道栗原西御所線（この県道は現在廃止されています）と、旧国道184号の一部区間との間で国と県の道路としての位置づけが入れ替えられることになりました。このような経緯を経て、昭和46年（1971年）4月27日に広島県告示第436号により、旧国道の一部区間などが一般県道として再認定され、広島県道363号栗原長江線として成立しました。

路線状況

本路線はかつて国道であったため、比較的広幅員な区間も存在しますが、歴史的な道筋を継承している箇所には現在も狭隘な区間が点在しています。特に、終点側の国道2号尾道バイパス以南の区間では、沿線に複数の学校があることや、市街地へのアクセス路として交通量が集中することから、朝の通勤・通学時間帯（土曜日、日曜日、祝日を除く平日の午前7時30分から午前8時30分まで）には、混雑緩和と歩行者の安全確保のため、時間帯による一方通行規制が実施されています。

また、路線の終点近くにはJR山陽本線の線路をくぐるガード橋がありますが、ここには高さ制限が3.6メートル設けられています。大型車両や一部の特殊車両はこの場所を通過できないため、迂回が必要となります。終点の長江口交差点は国道2号旧道と接続しており、尾道駅周辺や海岸部へのアクセスに利用されるため、行楽シーズンなど交通量が多い時期には、信号待ちによる渋滞が発生しやすい傾向にあります。

沿線には、広島県立尾道北高等学校、尾道市立長江小学校、尾道市立長江中学校、尾道市立広島県尾道南高等学校と、小中高合わせて4つの学校が集中しており、本路線は多くの児童・生徒の通学路となっています。道幅が狭い区間があることから、特に通学時間帯の交通安全確保が課題となっています。

近年、尾道市が周辺自治体と合併したことにより、旧御調町など市域の北部から市役所本庁舎へ向かう最短ルートの一つとして本路線が注目されています。これを受け、起点側の栗原町方面から順次、道路の拡幅工事が進められています。この事業により、狭隘区間の解消や歩道の整備などが図られ、路線の安全性と利便性の向上が期待されています。

地理

広島県道363号栗原長江線は、その全線が広島県尾道市内を通過します。具体的な通過地としては、起点の栗原町から始まり、長江地区を経て終点の長江一丁目に至ります。

交差する主な道路としては、起点で国道184号（大池三差路交差点）、終点で国道2号旧道（長江口交差点）と接続しています。

また、鉄道とも交差しており、沿線ではJR西日本の山陽新幹線が（栗原町付近）、終点付近ではJR西日本の山陽本線が（長江一丁目付近）立体交差しています。

沿線には、交通の要衝であるJR山陽新幹線新尾道駅（栗原町）があります。さらに、前述の通り沿線には複数の学校が立地しています。歴史と観光の中心である尾道に位置するため、尾道を代表する観光地である千光寺や、学問の神様として知られる御袖天満宮へのアクセス路としても利用されています。これらの施設や地域を結ぶ、尾道市内における重要な交通ネットワークの一部を担っています。

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