式守伊之助 (16代)

16代式守伊之助

16代式守伊之助（じゅうろくだい しきもり いのすけ、1892年6月20日 - 1948年12月3日）は、大相撲界において重要な役割を果たした立行司である。本名は刀根亀吉で、山形県山形市に生まれた。彼は伊勢ノ海部屋に所属し、後に出羽海部屋に転籍した。初土俵をわずか6歳で踏み、その後、9代式守伊之助の弟子となったことから、相撲界でのキャリアをスタートさせた。

伊之助は兄弟子である21代木村庄之助よりも早く出世したが、行司としての引退は45歳と比較的早期であった。引退後は年寄・立田川を襲名し、相撲界の理事まで昇進した。しかし、1948年に胃癌で56歳という若さでこの世を去ってしまった。

人物像

彼の人物像について、22代木村庄之助が著した『二十二代庄之助一代記』によると、伊之助は非常に頭脳明晰で、事務的な能力にも優れていたとされる。しかし、体格が太めであったため、行司としての職務においては若干の不向きがあったと言える。また、土俵祭などの本来の立行司の職務については、同じく立行司である20代庄之助（松翁）に任せっきりで、実際に行うことは一度もなかったという。

経歴

伊之助の相撲界における経歴は以下の通りである。

• - 1899年5月: 初土俵を踏む。名は式守亀司。
• - 1910年春: 4代式守錦之助を襲名。
• - 1922年春: 幕内格に昇進し、名を4代式守錦太夫に変更。
• - 1927年春: 三役格に昇進し、7代式守与太夫を襲名。
• - 1932年10月: 16代式守伊之助を襲名。
• - 1938年夏: 行司を引退し、年寄・立田川を襲名。
• - 1948年12月3日: 亡くなる。

これらの経歴を通じて、伊之助は大相撲界において多大な影響を与えた。特に彼の出世スピードは当時としては異例であり、その後の行司たちにとっても一つの目標となったであろう。

伊之助の生涯は短かったものの、その存在は相撲界にとって大きなものであった。彼の業績や人物像は、現在でも相撲ファンや関係者の間で語り継がれ、今後もその名は忘れ去られることはないだろう。

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