式守伊之助 (30代)

式守伊之助の人物と経歴

式守伊之助、またの名を竹田文雄は、1936年1月2日に鹿児島県川辺町（現南九州市）に生まれました。彼は大相撲の立行司として知られその道での名声を築き上げました。元々、彼の初名は式守文夫であり、1953年9月に初土俵を踏んだ時から相撲界に足を踏み入れました。

式守伊之助は、26代木村庄之助の弟子として腕を磨くことになり、ほどなくして彼のキャリアの重要な転機が訪れます。1958年には、師匠によって名を改められ式守正一郎となり、その後も様々な名を持ちながら相撲界で着実に昇進していったのです。

1967年には7代式守與之吉襲名を果たし、1984年には幕内格に昇格。1990年には8代式守勘太夫を襲名し、1993年には三役格にも昇進します。この頃、相撲界において若手行司が台頭しつつありましたが、式守伊之助もその一翼を担っていました。

1993年11月、28代庄之助が停年を迎えたことで、ダイナミックな変化が相撲界に訪れますが、それに続く1994年には立行司の席が不在になるという異例の事態が発生します。この時、彼を含む3名が立行司への昇格を争いましたが、最終的には他の若手行司が先に昇格しました。

その後、2000年7月に29代伊之助が停年を迎えたのち、彼は2000年9月場所で立行司として昇格、30代式守伊之助を襲名します。立行司としての在位はたったの2場所で、これが当時最短記録とされています。彼の裁きは、差し違えなしの見事なものであり、相撲ファンの間でも非常に高い評価を得ていました。

式守伊之助の大相撲人生を象徴する出来事の一つは、最終的に2000年11月場所で行われた横綱貴乃花と大関魁皇の一番でした。彼はこの一番を裁くことで、その長いキャリアに華を添え、立行司としての役割を全うしました。さらに、この役割を終えた後は停年を迎えることとなります。

停年後の彼は、東京の銀座で地元鹿児島の焼酎を扱う居酒屋を開くなど、新たな人生を歩み始めました。また、彼は毒蝮三太夫という友人と親交があったことでも知られています。

2013年4月14日、彼は胃癌によって77歳という年齢で世を去りました。式守伊之助の生涯は、相撲界での名行司としての栄光、そしてその後の充実した日々に彩られていました。彼の業績や裁きが大相撲に残した影響は、今でも語り継がれています。

その他の関連情報

式守伊之助は、同じく26代庄之助の弟子としての特異な経歴を辿っています。彼は誕生日も干支も同じであり、兄弟弟子の流れも色濃く見られました。また、彼の昇格の過程や、土俵での数々のエピソードも魅力的で、十両での勝ち名乗りを間違える一幕などもあり、様々な出来事が彼を成長させていったことが窺えます。

このように、式守伊之助は大相撲の立行司として長い人生を送りつつ、多くの人々に影響を与えた偉大な存在であったと言えるでしょう。

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