弥栄神社 (長野市)
弥栄神社について
弥栄神社は、長野県長野市上西之門町に位置する神社です。善光寺の山門から南西、仲見世通りの西側にある西之門通りに面しており、普段は観光客の喧騒から離れた静かな場所にあります。しかし、この神社は「ながの祇園祭（弥栄神社御祭礼）」の舞台として古くから知られ、かつては日本三大祇園祭の一つにも数えられたほどでした。
歴史
弥栄神社の創建は、一説によると1196年（建久7年）に源頼朝が信濃国を訪れた際、疫病除けのために京都の八坂神社を勧請したことに始まるとされています。社地は1774年（安永3年）に善光寺大勧進の住職から寄進されたものであり、現在も善光寺との深い関わりが続いています。
- - 1196年（建久7年）: 源頼朝によって創建されたと伝えられています。
- - 1774年（安永3年）: 善光寺大勧進住職から社地が寄進されました。
- - 1965年（昭和40年）～1967年（昭和42年）: 松代群発地震が発生し、御祭礼の屋台巡行が自粛されました。これにより、毎年行われていた屋台巡行が一時的に途絶えることになりました。
- - 2012年（平成24年）: 御祭礼の屋台巡行が「ながの祇園祭 御祭礼屋台巡行」として復活し、以降、毎年開催されるようになりました。
境内
境内には、以下の建物があります。
- - 本殿: 1847年（弘化4年）以前に建てられたと見られる覆屋で保護されています。切妻造、瓦葺き、漆喰壁が特徴です。
- - 仮拝殿: 1947年（昭和22年）頃に建てられたもので、御祭礼期間中のみ本殿前に組み立てられます。祭礼期間外は、湯福神社に解体保管されています。
- - 天神社: 境内に祀られています。
御祭礼（ながの祇園祭）
弥栄神社の祭礼は、京都の祇園祭と同様に屋台巡行が中心となっています。この屋台巡行は、戦前には京都の八坂神社、広島の厳島神社と並ぶ「日本三大祇園祭」と称されるほどの大規模なものでしたが、経済状況や人手不足により徐々に衰退していきました。1965年から1967年にかけての松代群発地震の影響で開催が自粛されたことをきっかけに、7年に一度の善光寺御開帳の年のみの開催となってしまいました。
その後、長野の夏のイベントとして、1971年（昭和46年）から始まった長野びんずるが人気を集めるようになりました。しかし、かつて隆盛を誇ったこの御祭礼の価値が見直され、2012年（平成24年）からは「ながの祇園祭 御祭礼屋台巡行」として復活し、現在では毎年屋台巡行が行われるようになりました。
弥栄神社は、前述の通り善光寺との関係が深く、江戸時代には善光寺大勧進の指揮のもとで御祭礼が行われており、善光寺御祭礼とも呼ばれていました。現在でも、祭の最初と最後の神事には善光寺の僧侶が参列しています。
現在の様子
祭は、以下の流れで進められます。
- - 7月初頭: 仮拝殿が本殿前に組み立てられます。
- - 天王下ろし祭（7月7日）: 宮司、その年の屋台巡行で御先乗りを務める少年、善光寺関係者、地元関係者が参列し、仮拝殿にて神事が行われます。かつて参拝者が初物のきゅうりを奉納していたことから、参列者・参拝者には御札ときゅうりが配られます。
- - 宵山・宵宮（期間中の土曜日）: 屋台巡行の前夜祭です。
- 宵宮: 権堂町の秋葉神社境内で開催されます。権堂町の屋台が置かれ、同町の勢獅子とともに様々な演目が披露されます。
- 元善町宵山: 善光寺駒返橋前で開催されます。元善町の屋台が置かれ、縁起物のきゅうりが振る舞われます。
- - 屋台巡行（期間中の日曜日）: 善光寺町の屋台巡行加盟20町が、それぞれの屋台を曳きます。2017年度は、このうち4町が巡行し、2町が置き屋台として参加しました。年番の町から選ばれた少年が「御先乗り」として馬に跨り、弥栄神社からもんぜんぷら座前（新田町）へ向かいます。各町を出発した屋台ももんぜんぷら座前に集結します。
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