張承 (後漢)

張承（ちょう しょう）

張承は、後漢末期の政治家であり、字は公先と称しました。司隸河内郡修武県の出身で、太尉であった張延を父に持ち、兄に張範、弟に張昭がいます。子には張戩がいました。

生涯

張承は、兄の張範と共にその名を知られていました。方正な人物として朝廷に召し出され、議郎に任命された後、伊闕都尉へと転任しました。董卓が政権を掌握すると、その暴政に反発し挙兵を企てましたが、弟の張昭に諌められたため、官職を辞して張範と共に揚州へと逃れました。

袁術が張範を招請した際、張範はこれを拒否し、張承を代理として挨拶に向かわせました。袁術が自身の領地の広さや領民の多さを誇ると、張承は「身の程をわきまえない真似をされ、時勢に逆らって行動し、民衆の忠誠を失ったならば、誰が功業を打ち立てられるでしょうか」と痛烈に批判しました。さらに、袁術が曹操は袁紹に敵わないと主張した際には、その見識を否定し、曹操を擁護しました。この言動により袁術の機嫌を損ねたため、張承は袁術の下を辞去しました。

曹操が冀州を平定した後、使者を派遣して張範を迎えさせました。しかし、張範が病を患っていたため、張承が代わりに曹操の下へ赴き、諫議大夫に任命されました。

建安18年（213年）、曹操が魏公への就任を最初は辞退しましたが、その受諾を勧める上奏文に、張承は（丞相参軍）祭酒として名を連ねています。魏が建国された後は、趙郡太守を兼任し、その地で教化を大いに行き渡らせました。

曹操が西方へ軍を направлять（派遣）すると、張承は参軍事としてこれに同行しましたが、長安で病に倒れ、そのまま亡くなりました。

出典

* 陳寿撰、裴松之注『三国志』巻11 魏書 張範伝及び付張承伝

脚注

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