徐広

徐広の生涯と業績

徐広（じょこう、生年352年 - 死去425年）は、東晋から南朝宋にかけて活躍した官僚であり、学者として広く知られています。彼は、歴史書『晋紀』や『史記音義』などの著作で名を馳せました。その名は「野民」という字で、本貫は東莞郡姑幕県にあります。彼にはもう一人の兄、徐邈（徐豁の父）と姉がいて、姉は何承天の母です。

学問を志した若き日の徐広

徐広は都水使者の徐藻の息子として生まれ、学者の家系に育ちました。彼の家族は学問を重んじる環境にあったため、早くから広範な知識を追求することになったのです。太元2年（377年）、彼は謝玄の召しを受け、兗州刺史の下で従事西曹に就任しました。さらに、太元13年（388年）には、譙王司馬恬の下で鎮北参軍に任命され、その優れた学識が評価されていきました。

官職とその後の経歴

徐広は、孝武帝にその博学を認められ秘書郎に任じられました。また、校書秘閣で資料を整理し、後に員外散騎侍郎の地位を授与されました。隆安年間には尚書令王珣の推薦を受けて祠部郎としての役を果たし、重要な職務を続けました。

隆安4年（400年）に李太后が崩御した際、徐広は喪に服することを提案し、その意見は認められました。会稽王の世子である司馬元顕が録尚書事に任命されると、徐広は廷議を主導し、各官庁における敬意の表現を整えました。しかし、彼自身はこの役目に恥じた思いがあったとされています。

後に中軍参軍に召され、さらに領軍長史に転任。元興2年（403年）には、桓玄のもとで大将軍文学祭酒に就任しました。桓玄による帝位承認の際、徐広は安帝の出立に際して涙を流し、感情を隠さなかったほどの愛国心を見せました。

義熙元年（405年）には、劉裕から車服儀注を制定するよう命じられ、鎮軍諮議参軍としてその役割を遂行。楽成県では五等侯に封じられ、さらに員外散騎常侍の地位を兼務しました。義熙2年（406年）には国史の編纂を担当し、次第にその名声は高まっていきました。義熙6年（410年）には散騎常侍に任命され、徐州の大中正も兼務しました。

晩年と遺産

義熙12年（416年）に『晋紀』46巻が完成し、これを上表することで記録されました。その後は秘書監に異動し、さらに活動を続けました。永初元年（420年）、恭帝が劉裕に帝位を譲った際、徐広はその場面を見て涙を流し、感情を隠さなかったというエピソードがあります。

その後、徐広は歳を重ねることを理由に退官を申し出て故郷に戻り、読書に専念する日々を送りました。彼は元嘉2年（425年）に74歳で亡くなりました。

彼の著作の中でも、『答礼問』の百条以上が南朝で広く用いられ、後世においてもその知識や思想は受け継がれています。

伝記資料

徐広に関する詳細な情報は、以下の歴史書に見ることができます。

• - 『晋書』 巻82 列伝第52
• - 『宋書』 巻55 列伝第15
• - 『南史』 巻33 列伝第23

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