得能通綱

得能通綱の生涯と功績

得能通綱（とくのう みちつな、年齢不詳 – 延元2年/建武4年3月6日）は、鎌倉時代から南北朝時代にかけての日本の武士であり、通称は又太郎、備後守として知られています。彼の出身は伊予で、河野氏の一族に属し、桑村郡の得能荘を拠点としていました。父は得能通村で、通綱には信縄、通方、通弘という子息がいました。

早期の活動

通綱は元弘3年（1333年）の2月11日、後醍醐天皇による鎌倉幕府打倒の動きに賛同し、同じ河野一族の土居通増や忽那重清などと共に挙兵しました。この際、伊予守護の宇都宮貞宗が守る府中城を攻略し、後に反乱への抑圧のために伊予に進軍した北条時直を石井浜で打ち破ることに成功しました。

伊予での戦闘

同年の3月1日、通綱は喜多郡で宇都宮貞泰が拠る根来山城に対して攻撃を行いました。この攻撃は10日余りのうちに成功し、城は落城しました。その後、再び北条時直が伊予に侵攻してきた際にも星岡で彼を破り、敵を長門まで撤退させました。5月には讃岐へも足を伸ばし、幕府側の勢力を撃破しました。さらに、村上義弘や忽那義範と共に水軍を指揮して幕府の補給路を遮断し、倒幕運動への貢献を果たしました。

建武政権と南北朝の戦乱

建武政権の下で通綱は従五位下に叙爵され、備後守の職に任命されました。しかし、南北朝の争乱が勃発すると、彼は通増と共に南朝に参加し、新田義貞の指揮下に加わります。建武3年（1336年）の2月10日、摂津における豊島河原合戦で足利軍に勝利し、その後も風早郡での赤橋重時との戦闘や、5月25日の湊川の戦いにも出陣しました。

金ヶ崎城と戦死

南朝の勢力再建を目指し北国に赴く義貞について行き、10月13日に越前金ヶ崎城に入城します。しかし、北朝方の斯波高経による包囲が始まり、「金ヶ崎の戦い」が勃発します。通綱は奮闘を続けましたが、延元2年（建武4年）の3月6日、戦死してしまいました。この戦闘は『太平記』にも詳細に記されており、彼の勇敢な戦いぶりは後世に語り継がれることとなりました。

家系と関係

得能通綱の系譜は次のようになっています：

• - 得能通俊

- 通秀
- 通純
- 通村
- 通景
- 通綱
- 重見通宗
- 重見通勝

通綱の功績は今もなお多くの人々に評価されており、彼の活動は歴史の教訓として後世に引き継がれています。彼の生涯は単なる武士の出来事に留まらず、当時の政治的な混乱の中での人間の意志と戦いを象徴するものです。

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