御幸橋停留場

御幸橋停留場 (みゆきばしていりゅうじょう)

御幸橋停留場は、広島市中区千田町三丁目に位置する広島電鉄宇品線の路面電車停留場です。駅番号はU8。

歴史

1912年（大正元年）に宇品線が開業した際、御幸橋の西詰に、紙屋町方面からの路線の終点として開設されました。当初、宇品地区への延伸が計画されましたが、御幸橋が架かる京橋川を越える必要があり、橋に軌道を敷設する余裕がなかったため、架橋は後回しにされました。そのため、1915年（大正4年）に御幸橋の東詰から宇品までの区間が先に開通し、当停留場と御幸橋東詰の停留場（皆実町六丁目停留場）の間は、御幸橋を介して徒歩で連絡する形となりました。

宇品までの路線建設が急がれた背景には、同年開催予定の広島県物産共進会までに開通させたいという事情がありました。実際に宇品までの区間が開通したのは、共進会の開会3日前でした。その後、1919年（大正8年）に京橋川への電車専用橋が完成し、広島駅前から宇品までが電車で直接結ばれるようになりました。1931年（昭和6年）には、道路と軌道の併用橋である2代目の御幸橋に架け替えられました。

太平洋戦争下の1944年（昭和19年）に御幸橋停留場は営業を休止しましたが、1945年（昭和20年）8月6日の原爆投下後、宇品線は一部区間が同月18日に復旧し、当停留場も営業を再開しました。御幸橋は被爆後も2代目の橋が使用されていましたが、老朽化と交通量の増加により、1990年（平成2年）に新しい橋に架け替えられました。

年表

1912年（大正元年）11月23日：開業。
1915年（大正4年）4月3日：宇品線の御幸橋東詰 - 宇品間が開業。御幸橋 - 御幸橋東詰間は御幸橋を介する徒歩連絡となる。
1919年（大正8年）5月25日：御幸橋 - 御幸橋東詰間の京橋川に電車専用橋が完成。宇品線全線で直通運転となる。
1944年（昭和19年）6月10日：停留場の営業を休止。
1945年（昭和20年）8月18日：停留場の営業が復旧。

停留場構造

宇品線は、ほぼ全区間で道路上に軌道が敷かれた併用軌道であり、当停留場も道路上にホームが設置されています。ホームは低床式で、2本の線路を挟み込むように向かい合って配置された相対式ホームです。路線の起点から見て左側に広島港方面行きのホーム、右側に紙屋町・本線方面行きのホームがあります。

ホーム長は3両・5両連接車に対応しており、上りホームは全長にわたって屋根が設けられていますが、下りホームは1両単車の乗車口付近にのみ屋根が設けられています。

運行系統

当停留場には、広島電鉄が運行する1号線、7号線、0号線が乗り入れています。

停留場周辺

停留場は御幸橋の西詰に位置し、周辺は住宅街となっています。西側には中区の文化施設が集積しています。御幸橋西詰交差点は、広島市道霞庚午線、広島県道243号広島港線、広島市道御幸橋三篠線が交差する交通量の多い場所です。

修道中学校・修道高等学校
広島美容専門学校
コジマホールディングス中区スポーツセンター
広島市工業技術センター
平野公園
南千田公園
千田下水処理場

バス路線

御幸橋停留場の周辺には、「御幸橋」バス停があり、広電バス・広島バス・広島交通が停車します。

御幸橋 バス停（千田通り沿い）：301系統、50系統、21-1系統
御幸橋 バス停（御幸橋西詰通り沿い）：12系統

その他

トミーテックの「鉄道むすめ」シリーズのキャラクター「鷹野みゆき」の名字の由来となった駅の一つです。

隣の停留場

広島電鉄

■宇品線

広電本社前停留場 (U7) - 御幸橋停留場 (U8) - 皆実町六丁目停留場 (U9)

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