慈眼寺 (鹿児島市)

慈眼寺（じげんじ）

概要

慈眼寺は、かつて鹿児島県鹿児島市下福元町に存在した曹洞宗の寺院です。現在は、その跡地が「慈眼寺公園」として整備され、桜や紅葉の名所として市民に親しまれています。特に春には多くの人々が花見に訪れ、賑わいを見せます。

歴史

慈眼寺の創建は古く、飛鳥時代に百済の僧侶・日羅によって建立されたと伝えられています。しかし、その後の詳しい経緯は不明で、確実な記録としては、応永年間に島津久豊によって再興された時点からとなります。

1542年（天文11年）には、島津貴久が福昌寺の18世・代賢和尚を新たに開祖として迎え、伽藍を建立し、曹洞宗の寺院として再興されました。その後、18代当主である島津家久の菩提寺となり、薩摩藩の重要な寺院として栄えました。一乗院、宝満寺と共に「薩摩三名刹」と称され、多くの人々に信仰されていました。

しかし、明治時代の廃仏毀釈によって、慈眼寺は完全に破壊されてしまいました。現在、その跡地は公園となり、入り口に残る仁王像や公園内に点在する石仏が、かつての寺院の面影をわずかに残しています。

1974年（昭和49年）には、「名勝・慈眼寺跡」として、鹿児島市の文化財に指定されています。

慈眼寺公園

慈眼寺跡に整備された慈眼寺公園は、市民の憩いの場として親しまれています。春には桜が咲き誇り、秋には紅葉が美しい名所です。

公園内には、そうめん流しが楽しめる施設もあり、3月中旬から10月末まで営業しています。営業時間や期間は季節によって変動するので、訪れる際は事前に確認が必要です。

また、公園周辺には、鹿児島市立ふるさと考古歴史館や谷山神社などの観光スポットもあります。

周辺地域

慈眼寺公園からJR慈眼寺駅にかけての区域は「慈眼寺町」と呼ばれています。1996年に行政区画として成立しましたが、周辺の谷山中央、下福元町、和田、錦江台にも「慈眼寺」を冠する施設が点在しています。

アクセス

鉄道

JR九州 指宿枕崎線「慈眼寺駅」下車、徒歩約10分。

バス

鹿児島市営バス 14番線 慈眼寺団地行「慈眼寺公園前」バス停下車、徒歩約2分。
鹿児島交通 6番線、6-2番線、6-3番線 慈眼寺団地行「慈眼寺公園前」バス停下車、徒歩約2分。

自家用車

国道225号 大御堂交差点より約10分。約150台収容の無料駐車場があります。

関連項目

慈眼寺駅
一乗院 (南さつま市)
宝満寺 (志布志市)

外部リンク

慈眼寺公園 - かごしま市観光ナビ 鹿児島観光コンベンション協会


慈眼寺は、歴史と自然が調和した場所として、多くの人々に愛されています。公園として整備された現在も、その歴史を偲ぶことができる貴重な場所です。

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