成瀬正成

成瀬正成の生涯と功績

成瀬正成（なるせ まさなり）は、1567年に生まれた戦国時代から江戸時代初期にかけての重要な武将であり、犬山藩の初代藩主として知られています。彼は、父である成瀬正一のもと小姓として徳川家康に仕え、戦場での勇敢な行動が後の昇進に繋がりました。

幼少期から初陣まで

正成は永禄10年に徳川家臣の息子として誕生しました。少年時代から家康に仕え、天正12年（1584年）に小牧・長久手の戦いで初めて戦場に出陣します。この戦闘では、敵陣に飛び込み忠勇を示し、家康から500石と脇差を授与されました。これが彼の武将としてのキャリアの始まりでした。

鍛錬と戦功

天正13年（1585年）には、羽柴秀吉の攻撃を受けた根来衆を指揮し、わずか17歳で一軍の将としての地位を確立。彼が指揮した鉄砲隊は後に「根来組」として知られる百人組となります。天正18年（1590年）の小田原征伐においても功績を挙げ、関東の下総国に4,000石を与えられました。

大名としての成長

江戸の四谷に屋敷を構えた正成は、組下の根来組を内藤新宿に配備し、甲州街道の防衛に努めました。特に大坂での馬揃えの際には、秀吉から自らの傘下へ召抱えるとの申し出を受けましたが、二君に仕えることはできないと固辞した逸話が残っています。

関ヶ原の戦いと官職の昇進

関ヶ原の戦い（1600年）では、家康の使番として活躍し、百人を率いて先陣を切りました。この戦功により堺奉行に任命され、後には老中として江戸幕府の政務にも関与。さまざまな戦功と官職により、彼は総計で34,000石の大名となります。

尾張藩の創成に寄与

成瀬は慶長12年（1607年）に従五位下に叙せられ、隼人正を名乗りました。慶長15年（1610年）からは尾張徳川家の補佐として藩政を指揮し、尾張藩の安定に寄与しました。また、大坂冬の陣では堀埋め立て工事を指揮し、和睦の条件についての一幕も耳目を集めました。

最晩年と成瀬家の継承

寛永2年（1625年）に59歳で亡くなった正成の死に際しては、家康を偲ぶ言葉を残し、その後、成瀬氏は尾張藩の付家老としてその地位を代々受け継ぎました。彼の功績や逸話は、今なお歴史に刻まれています。

成瀬正成の家族

正成の父は成瀬正一、母は熊谷直連の妹です。正室には森川氏俊の娘があり、その後、継室として本多正重の娘を持つことになります。子供たちには、成瀬正虎と成瀬之成がいます。

まとめ

成瀬正成の生涯は、戦国時代から江戸時代にかけての日本の激動の時代を反映したものです。彼の誇り高い行動や理念は、後の世代へと引き継がれていくこととなります。彼の菩提寺である臨溪院や白林寺には、彼の墓があり、その業績は多くの日本人に語り継がれています。

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