戸塚道路

戸塚道路：歴史と変遷

戸塚道路は、神奈川県横浜市戸塚区の柏尾町から汲沢町に至る全長約4.2kmの国道1号バイパスです。開通当初は有料道路でしたが、現在は無料開放されています。この道路は、建設の経緯から「ワンマン道路」という異名を持っています。

概要

起点: 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町（不動坂交差点）
終点: 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町（大坂上）
全長: 4.2km
車線数: 3車線（不動坂交差点 - 横浜新道戸塚終点）、4車線（横浜新道戸塚終点 - 大坂上）

歴史

戸塚道路は、1953年に建設が決定し、1955年に開通しました。その後、1959年に横浜新道へ編入され、1964年に無料開放されました。この道路は、元々、東京 - 御殿場間の弾丸道路の一部として計画されていましたが、当時の首相吉田茂が戸塚駅付近の踏切渋滞に不便を感じ、建設を指示したという逸話があります。この逸話から、吉田のニックネーム「ワンマン宰相」にちなんで、「ワンマン道路」と呼ばれるようになりました。

年表

1952年6月6日：道路整備特別措置法（旧）により計画
1953年1月17日：閣議決定により建設を佐藤栄作建設相（当時）が表明
1955年1月7日：柏尾町尾崎台から汲沢町吹上までの区間改築工事が終了
1955年2月1日：有料道路戸塚道路が開通。午前0時から午前6時までは料金を徴収せず
1956年4月16日：日本道路公団が管理を引き継ぐ
1956年10月10日：終日料金徴収開始
1959年10月28日：横浜新道の一部となり、戸塚支線となる
1964年12月16日：横浜新道戸塚支線が無料開放
1968年：矢沢交差点の立体交差化完成
1970年：戸塚道路の拡幅工事完成
2018年：戸塚警察署交差点立体化事業化

並行する道路

柏尾戸塚線

戸塚道路と並行する国道1号の旧道は、横浜市の都市計画道路「柏尾戸塚線」に指定されており、江戸時代の東海道とほぼ同じ経路を辿ります。

戸塚駅周辺の道路整備

戸塚駅周辺では、「戸塚駅前地区中央土地区画整理事業」の一環として、東海道本線をアンダーパスするバイパスが建設されました。このバイパスは、2015年3月に開通し、かつて「開かずの踏切」として知られた戸塚大踏切は廃止されました。このバイパスは自動車専用道路のため、別途人道橋も整備されました。

戸塚大踏切

戸塚駅付近にあった東海道踏切は、JR東海道本線、横須賀線、貨物線の6本の線路が交差し、交通ラッシュ時には1時間に57分間も遮断機が降りるほどの「開かずの踏切」でした。2015年にアンダーパスが完成し、踏切は廃止されました。

路線状況

不動坂交差点

不動坂交差点では、慢性的な渋滞を解消するために立体交差化事業が計画されましたが、交通状況の変化や工費削減のため、平面交差点への拡幅に変更されました。

道路施設

戸塚跨線橋: 東海道本線を越えるトラス橋
坂本橋: 横浜新道を越える跨道橋
原宿トンネル: 原宿交差点の混雑緩和を目的としたトンネル

交通量

以下は、平成17年度道路交通センサスによる平日24時間交通量です。

戸塚区矢部新田1419: 56,940台
戸塚区原宿687: 38,712台
戸塚区柏尾町560: 18,336台
戸塚区戸塚町3847: 9,492台

交差する道路

国道1号旧道・県道401号瀬谷柏尾線（不動坂交差点）
横浜新道（戸塚終点）
県道22号横浜伊勢原線（矢沢立体・交差点）
国道1号旧道（大坂上立体）
横浜環状南線（戸塚IC予定/吹上交差点）
市道18号環状4号線・県道23号原宿六ツ浦線・県道402号阿久和鎌倉線（原宿トンネル・交差点）
神奈川県道402号阿久和鎌倉線（影取町交差点）
神奈川県道30号戸塚茅ヶ崎線（藤沢バイパス出口交差点）

史跡

柏尾通り大山道: 不動坂交差点付近にあり、不動明王堂と大山へ続く道標があります。
益田家のモチノキ: 不動坂交差点近くにあり、樹齢約300年の神奈川県指定天然記念物です。
* 大坂: 旧戸塚宿上方見附南側に位置する坂です。

まとめ

戸塚道路は、その建設の背景や歴史において、多くの興味深い要素を持つ道路です。単なるバイパス道路としてだけでなく、地域の歴史や文化を物語る存在として、今後もその役割を果たしていくでしょう。

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