所沢陸軍飛行場

所沢陸軍飛行場

所沢陸軍飛行場は、埼玉県所沢市に位置していた日本初の航空機専用飛行場で、1911年に設立されました。この飛行場は陸軍気球隊が設立された後、陸海軍共同で臨時軍用気球研究会が開設されたことで始まりました。初期の研究内容には飛行船や、当時新しく登場したばかりの飛行機も含まれ、日本の航空関連研究の拠点として重要な役割を果たしました。

設立の経緯

1909年に臨時軍用気球研究会が設置され、日本の航空の発展を目指しました。この研究会は、飛行場設置のための土地を選定し、1910年2月には所沢が飛行場用地として決定されました。同年8月に23万1千坪の土地が購入され、1911年4月には所沢陸軍飛行場が完成します。その年の5日には、フランス製の複葉機が試験飛行を行い、日本初の航空機専用飛行場としての歴史が始まりました。

初期の飛行場では、飛行機や試作航空機の製造、飛行訓練が行われ、また1915年には陸軍飛行大隊が設立されます。さらに、飛行場は1916年に拡張され、滑走路や関連施設が中央に移設されました。

歴史的な出来事

飛行場の歴史の中で、1911年6月には日本初の野外飛行事故が発生し、その後も数々の事故が記録されました。1913年には日本初の航空機死亡事故があり、木村鈴四郎・徳田金一両中尉が命を落としました。また、1917年から1923年にかけて飛行場は115.7ha拡張され、1920年には所沢陸軍飛行学校が設立され、航空兵の育成が行われました。

1938年には、陸軍航空整備学校が設置され、戦争が続く中でさらなる拡張が進められます。昭和15年に所沢飛行場駅が東所沢駅に改称されるなど、地域にも大きな影響を与えました。1945年には、東京大空襲が行われましたが、所沢飛行場はそのとき迎撃できませんでした。

アメリカ軍による接収

戦後、所沢陸軍飛行場はアメリカ軍によって接収され、その後の返還運動が始まります。1967年には大規模な返還運動が展開され、1971年には大部分が返還されました。返還された土地は、現在の所沢航空記念公園やその他の公共施設として利用されています。残った部分は、米第5空軍374空輸航空団の所沢通信基地や大和田通信所として機能しています。

現在の状況

今日では、所沢航空記念公園が開設され、航空発祥記念館も整備されています。そして、これらの場所は訪れる人々に所沢飛行場の豊かな歴史を伝えています。また、所沢陸軍飛行場は日本の航空の発展の一端を担ったポイントであり、航空史において重要な役割を果たした施設といえるでしょう。

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