山川駅

山川駅

山川駅は、鹿児島県指宿市山川成川に位置する、九州旅客鉄道（JR九州）指宿枕崎線の駅です。駅名標のアイコンには、アゲハチョウの一種であるツマベニチョウが描かれています。

概要

旧山川町の代表駅であり、隣の指宿駅とともに指宿枕崎線の運行拠点となっています。鹿児島中央駅方面からの多くの列車が当駅で折り返し運転を行い、この先の枕崎方面へ向かう列車は本数が大幅に減少します。

JRグループの有人駅としては最南端に位置しており、駅前には「JR日本最南端の有人駅」の標柱が設置されています。指宿枕崎線内では西頴娃駅も有人駅ですが、JRグループ全体としては当駅が最南端となります。2016年3月26日に無人化されましたが、同年10月3日より簡易委託駅として窓口営業が一部再開され、再び有人駅となりました。無人駅だった期間は、JRグループ最南端の有人駅は指宿駅となっていました。

1945年10月25日に日本が台湾の領有権を失ってから、1960年3月22日に西大山駅が開業するまでは、山川駅が日本最南端の駅でした。

合併により現在は指宿市となっていますが、旧揖宿郡山川町の時代から町名、地名ともに「やまがわ」と読むのに対し、駅名は「やまかわ」と濁らないのが特徴です。

歴史

山川への鉄道敷設は昭和に入ってから進められ、1930年に西鹿児島（現在の鹿児島中央駅） - 五位野間が開通。その後、延長工事が進み、1936年3月25日に指宿線として山川までの区間が全通しました。開業当初の駅舎は木造で、宿舎や浴場も備わっていました。

南薩鉄道（後の鹿児島交通）による加世田 - 枕崎間の延伸計画にあわせ、山川と枕崎を結ぶ鉄道が企画されました。鹿児島南海鉄道が設立され、1928年2月13日に免許を取得しましたが、その後、会社は解散となりました。

第二次世界大戦後、1957年に枕崎線（または指宿新線）として山川 - 西頴娃間の延長工事に着手。1960年3月22日に同区間が開通し、1963年10月31日には枕崎まで全線が開通し、路線名が指宿枕崎線に改称されました。

延長工事により山川駅の役割が大きくなったため、1964年に駅舎が鉄筋コンクリート造に建て替えられました。

この頃には、博多と結ぶ準急「かいもん」、宮崎と結ぶ準急「錦江」などの優等列車が山川駅に乗り入れていましたが、1980年10月に廃止されました。貨物営業も同時に廃止されています。

指宿市との合併前の山川町は、路線や駅の廃止危機を感じ、1993年より町職員の鹿児島市への出張をJR利用に切り替えるなどの利用促進策を実施しました。1994年には直営駅から委託駅となり、2016年3月26日には無人化されました。

しかし、指宿市が観光拠点としての重要性を認識し、JR九州から簡易委託を受け、地元の女性グループに委託して、2016年10月3日から平日の朝夕に限定して窓口営業が再開されました。

年表

1936年3月25日：指宿 - 当駅間開通に伴い、鉄道省が開設。一般駅。
1945年3月29日：空襲により、初代駅舎が全焼。
1959年9月：博多 - 山川間を直通する準急「かいもん」運転開始。
1960年3月22日：当駅 - 西頴娃間が開通し、中間駅となる。
1961年10月：宮崎 - 山川間を直通する準急「錦江」運転開始。
1963年10月31日：枕崎まで全通し、路線名が指宿枕崎線に改称。
1964年：駅舎が鉄筋コンクリート造に建て替え。
1980年10月1日：貨物営業廃止、旅客駅となる。
1985年3月14日：荷物営業廃止。
1987年4月1日：国鉄分割民営化により九州旅客鉄道の駅となる。
1994年4月1日：委託駅化。
2016年3月26日：無人化。
2016年10月3日：指宿市が簡易委託を受け、平日の朝夕に限り窓口業務を再開。

駅構造

1964年に建て替えられた鉄筋コンクリート造の駅舎が使用されています。駅舎の壁には、タイル張りのツマベニチョウが描かれています。

相対式ホーム2面2線を有する地上駅です。ホーム間は構内踏切で連絡しています。1番のりばと2番のりばに方面の区別はありませんが、1番ホームの方が長くなっています。主に1番のりばを使用し、列車交換などで1番のりばが使用中の場合は2番のりばを使用します。

1番ホームの指宿駅寄りには、かつて貨物営業を行っていた頃の貨物積み下ろしホームや運搬通路、職員詰所の跡が残っています。

指宿市がJR九州から委託を受け、地元住民が駅業務を行う簡易委託駅です。営業時間は平日の16時から18時までで、自動券売機が設置されています。自動券売機は現金のみ対応で、オレンジカードは使用できません。

のりば

1番のりばと2番のりばがあり、方面の区別はない。

利用状況

2015年度の1日平均乗車人員は188人です。

駅周辺

山川湾沿いに位置しており、湾に沿って国道269号が通っています。湾の反対側は山に面していますが、その裏側には田畑や集落が広がっており、集落を抜けると鰻池や鰻温泉にアクセスできます。

山川漁港
山川造船鉄工
成川公園
成川郵便局
南方神社（成川南方神社）
国道269号

バス路線

国道269号沿いに「山川駅前」停留所があり、鹿児島交通と指宿市コミュニティバス「イッシーバス」の路線が経由しています。

鹿児島交通

空港連絡バス（鹿児島空港 - 山川・指宿線）
各停系統
山川桟橋 / 金生町
東大川（Aコープ前） / なのはな館
池田湖 / 知林ヶ島入口
開聞駅前、山川高校前 / 活お海道

指宿市コミュニティバス「イッシーバス」

川尻〜なのはな館線
開聞山麓自然公園前 / なのはな館

その他

かつて国鉄バス山川営業所が運行していた路線を引き継いだJR九州バス（山川線：山川駅 - 開聞駅 - 枕崎駅）がありましたが、現在は鹿児島交通が運行しています。

旧国鉄バスのターミナルとして、現在の山川桟橋付近に国鉄山川港駅と併設された山川港観光案内所があり、列車の指定券や周遊券などを販売していました。

NHK『六角精児の呑み鉄本線・日本旅』の「秋・指宿枕崎線を呑（の）む！」の回では、六角精児が当駅で下車し、駅前の田村合名会社の焼酎工場を訪れています。

隣の駅

九州旅客鉄道（JR九州）

■指宿枕崎線

■快速「なのはな」：指宿駅 - 山川駅
■普通：指宿駅 - 山川駅 - 大山駅

脚注

注釈
出典
参考文献：『山川町史』山川町、2000年10月20日。

関連項目

日本の[[鉄道駅一覧]]

外部リンク

山川駅（駅情報） - 九州旅客鉄道

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