掃叭トンネル

掃叭トンネル（さっぱトンネル）は、かつて台湾花蓮県瑞穂郷に存在した台湾鉄路管理局台東線の廃止されたトンネルです。舞鶴信号場と三民駅の間に位置し、全長1,166.33メートルを誇りました。1916年10月に完成したレンガ造りのトンネルは、台東線全通時に使用開始され、当初は軌間762ミリメートルの狭軌でした。

しかし、トンネルの両側には20パーミルという急な勾配があり、列車の運行には不利な条件でした。加えて、古くからの湧水問題も解決されないままでした。これらの問題を解消するため、台東線の改軌工事に合わせて旧線の東側に新線を建設することが決定されました。新線には、新たに自強1号トンネルと自強2号トンネルが設けられることになりました。

当初の計画では、1982年6月に新線が完成する予定でしたが、建設工事の遅延により、暫定的な措置として、トンネルの高さを掘り下げて拡幅し、1,067ミリメートルの列車が運行できるようにしました。その後、1984年12月28日に新線への切り替えが完了し、掃叭トンネルは廃止されました。

このトンネルの南北両側には扁額が掲げられています。北口には、佐久間左馬太総督の筆による「無窮」の文字が、南口には安東貞美総督の筆による「宏達」の文字が刻まれています。

2016年12月には、県政府文化局によって指定古蹟に登録され、その歴史的価値が認められました。

現在、トンネルの入口は塞がれており、旧線区間は道路として利用されています。北口の入口は水が溜まって池のような状態になっています。この場所は、かつて鉄道が走っていた場所であるという歴史を今に伝える貴重な場所となっています。


参考資料
【鐵道舊跡】發現掃叭隧道 （繁体字中国語）
掃叭隧道（火星人鐵道世界） （繁体字中国語）
不可不知 掃叭隧道（瑞穗站） （繁体字中国語）
掃叭隧道 文化部文化資産局国家文化資産網 （繁体字中国語）
* 掃叭隧道 花蓮県政府文化局 （繁体字中国語）

もう一度検索