掃部角麻呂

掃部 角麻呂（かにもり の つぬまろ）

掃部角麻呂は、飛鳥時代に活躍した著名な武人です。彼は掃守連という氏族に属し、その名は「掃守」の職掌に関連しています。掃守氏族は、古代の宮殿における清掃や舗設を担っており、重要な役割を果たしていました。角麻呂の姓は連で、冠位は大山上を有していました。この時代における彼の役割と出自の重要性は、後の歴史に大きな影響を与えました。

出自の背景

掃守連氏は、宮殿内における掃除や整備の職務を担った「掃守部」のリーダーであり、『新撰姓氏録』の記載によると、彼の家系は振魂命の四世孫であり、天忍人命の血を引いていると言われています。このような出自は、掃部角麻呂の社会的地位を高め、彼がどのように成長していったのかを知る手助けとなります。彼の故郷は高安郡掃守郷で、現在の大阪府八尾市南高安町にあたる地域です。

『古語拾遺』に記されているところによれば、掃守連氏の祖先である天忍人命は神武天皇の父、彦瀲命の誕生時に海岸で蟹を掃いて舗設の任務を遂行しました。この伝承は、掃守部がどのようにして設立されたのかを説明する物語として、今に語り継がれています。また、掃守氏族は雄略天皇の時代に掃除の職に従事していたため、掃守連の姓が与えられたとも伝えられています。

経歴の詳細

大化5年（649年）、掃部角麻呂は孝徳天皇の命を受けて、新羅に遣わされました。この際、彼は小花下や三輪色夫らと共に派遣され、冠位は大山上でした。この新羅への派遣は、当時の外交・軍事的な重要性を物語っており、角麻呂自身が外交任務に従事したことがいかに重要であったかを示しています。

この年、新羅王は自国の王族である沙涿部沙飡と金多遂を人質として日本に派遣しています。このような動きは、当時の両国間の外交関係を浮き彫りにするものであり、掃部角麻呂がその一翼を担ったことが理解されます。

さらに、角麻呂の一族は、天武天皇の治世において、八色の姓に基づき宿禰姓を賜与されることになります。これにより、掃部角麻呂の家系はさらに社会的地位を高め、彼の存在意義を強化することになったのです。

関連事項

掃部角麻呂についての理解を深めるためには、彼が関与した『新羅使』や『遣新羅使』の歴史に触れることも重要です。また、同じ氏族に属する掃守小麻呂との関係や情報も併せて研究することで、当時の社会構造や外交関係についての洞察が得られるでしょう。これらの要素は、掃部角麻呂の生涯を理解する上で欠かせない要素となります。

このように、掃部角麻呂とその一族の歴史は、飛鳥時代の政治や文化を知る手掛かりを提供してくれます。

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