政治経済学 (日本)

政治経済学の概要

政治経済学（せいじけいざいがく）は、経済学の一分野であり、日本では1930年代後半に特に発展しました。この時期、マルクス経済学派の中でも講座派や労農派が活発に議論を展開し、日本資本主義論争において重要な役割を果たしました。しかし、当局による言論弾圧によってこれらの学派は壊滅し、その後、中山伊知郎をはじめとする研究者たちが純粋経済学への対抗としての潮流を築くことになります。

政治経済学は、「日本歴史派」「日本経済学」「皇道経済学」「生活経済学」「国防経済学」など、さまざまな流派を包含しています。これらの流派は共通して、純粋経済学が理論偏重であり、現実の政治や経済的な問題を無視しているという批判を持っていました。このような批判の裏には、戦時中の統制経済への強い関心があったためです。また、欧米経済学理論への追従を戒め、「日本的なもの」を重視する姿勢もありました。彼らは、より実践的なアプローチを模索し、現実に根ざした経済学の確立を目指しました。

ただし、政治経済学の研究成果の多くは、時局に迎合した側面が否めず、戦後にはこれが「俗流経済学」と見なされることにつながります。また、当時の多くの学者たちは、軍国主義と結びついていたため、戦後には公職から追放されるケースも見られました。後に評価されることとなる柴田敬など、再評価の流れも見られますが、全体としてこの流派は辛辣な批判にさらされる運命でした。

主要な人物と著作

多くの著名な学者たちが政治経済学に寄与しました。その中でも特に重要な著作や人物が挙げられます。

• - 作田荘一『国民科学の成立』（国民精神文化研究所、1934年）
• - 難波田春夫『国家と経済』（全5巻、日本評論社、1938年 - 1943年）
• - 本位田祥男『統制経済の理論─協同経済への道─』（日本評論社、1938年）
• - 土方成美『日本経済学への道』（日本評論社、1938年）
• - 武村忠雄『統制経済と景気変動』（有斐閣、1938年）
• - 山本勝市『計画経済の根本問題：経済計算の可能性に関する吟味』（理想社出版部、1939年）
• - 福井孝治『経済と社会』（日本評論社、1939年）
• - 大熊信行『政治経済学の問題』（日本評論社、1940年）
• - 柴田敬『日本経済革新案大綱』（有斐閣、1940年）
• - 石川興二『新体制の指導原理』（有斐閣、1940年）
• - 谷口吉彦『新体制の理論』（千倉書房、1940年）
• - 宮田喜代蔵『貨幣の生活理論』（日本評論社、1941年）
• - 酒枝義旗『構成体論的経済学』（時潮社、1941年）
• - 板垣與一『政治経済学の方法』（日本評論社、1942年）
• - 赤松要『経済新秩序の形成原理』（理想社、1944年）

また、厳密には「政治経済学」派ではないが、同じく問題意識を共有した学者たちも存在しました。高島善哉や杉本栄一などがそれに該当します。

政治経済学部

政治経済学部（せいじけいざいがくぶ）は、大学において政治や経済を中心に社会科学を学ぶ学部です。一般には、政経学部（せいけいがくぶ）として知られていることもあります。学科構成は多様で、政治学科や経済学科に加え、政治と経済を相互に学ぶ政治経済学科を持つ大学もあります。

この学部では、さまざまな学問を学ぶことで、資格試験や公務員採用試験に進むための préparations を行うことができます。例えば、公認会計士試験や、財務専門官採用試験などで必要な科目を学ぶことができるため、多くの学生がこれらの資格取得を目指しています。特に早稲田大学などでは、福祉やビジネス関連の資格研修が活発に行われています。

まとめ

政治経済学は、日本の経済学の中でも独特の立ち位置を持ちながら、戦時中の特殊な状況から多くの影響を受けてきました。その成果や問題意識は現在においても意義深いものとして残っており、社会科学の領域でも重要な役割を果たしています。

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